日本の不動産の未来2.0

『少子高齢化社会がすぐ近くにきていて、都会も地方も人口減少に陥る』

こういったフレーズはもう聞き飽きたでしょう。
みんながみんないうものだから、いわば洗脳的に日本は人口が減少していて、日本の未来が危ないのではないかといった不安を覚えます。

しかし、本当に日本の未来が危ないのでしょうか?

そんな疑問を持った方は、常識を疑わず自分の目で確かめようとしている非常に賢い人でしょう。

その答えを、今日ここで解決していってください。

この記事では、国土交通省が公開した資料「国土のグランドデザイン2050」を基に日本の不動産の未来を見ていきたいと思います。

全体としては人口は大幅に減少傾向にあり、人が住まなくなる地域が多くみられるようになるとされていますが、その中でも人口増が見込まれている地域もあります。
将来のためにも知っておいた方が良い有益な情報でしょう。

◆人口の増減に関する勘違い

はじめに結論を言ってしまうと、日本の人口自体は減少傾向にありますが、その規模は地域によって異なります。
地域によっては増加しているところも、あまり変化のないところも、減少し過疎化していくところもあります。

自分が住んでいる地域、所有物件がある地域、投資用物件として購入を検討していた地域などの2050年の増減予想をみて、参考にしていただければと思います。

その中でも、特に減少傾向が強く、家を持っていることが危ないと思う都道府県を筆者の独断と偏見でランキングにしていきます。

◆『人口関係参考資料』からみる日本の未来

ここからは国土交通省のサイトから『人口関係参考資料』を引用して紹介していきます。

ご一読していただければかなり深刻な状況がわかるかと思います。

人口が増加するエリアは赤、人が住まなくなる危険なエリアは青として表示されています。

◇人口増:首都圏+愛知県

まずは安定して人口が増加している首都圏と、首都圏以上に期待が寄せられる愛知県の状況からみていきましょう。

人口の増加が予想される赤いエリア、極端には減らないとされる黄色のエリアに注目してご覧ください。

・東京都

東京都では中央区、港区、江東区など都心や湾岸エリアでは人口増が目立っています。

23区内では文京区、新宿区、荒川区、練馬区、世田谷区、大田区などもスポット的に増加傾向にあります。
世田谷区、大田区では神奈川県に近いエリアにまとまっている点も注目すべきでしょう。

また、都下では増加エリアが集中しているのは八王子市。場所的には京王相模原線南大沢駅、JR横浜線・相模線と京王相模原線の乗り入れる橋本駅周辺が赤くなっており、多摩ニュータウンエリアとも一部重なっています。

橋本駅近くでは再開発やリニア新駅の期待もあり、人口増の一つの要因になっていることが考えられます。

次に、調布市、稲城市辺りも増加エリアです。この周辺はファミリー向け分譲マンションの多い地域なので、人口が集中していると思われます。また、京王線地下化で調布駅周辺の開発が進んでいるのも寄与しているでしょう。

最後に、東京都及び首都圏では比較的減少が少なく、黄色で塗られている地域が広いことも特徴として挙げられます。東京都では人が住まなくなるほど減少するのは奥多摩エリアに限られています。

・神奈川県

神奈川県では川崎市と横浜市に集中して増加地域がありますが、これを地図にあてはめてみると東急田園都市線沿線から武蔵小杉にかけてです。

途中の南武線沿線と、川崎市では小田急線沿線も増加エリアです。

それ以外は、横浜市中心部、藤沢市綾瀬市などとエリアは小さいものの増加が予想されています。
逆に、川崎市や横浜市から離れたエリアは非居住地域になるところも多いと予測されています。

・埼玉県

埼玉県では県の中央部より、和光市、新座市、朝霞市、志木市、戸田市など東京に隣接する地域での増加予測が目立ちます。

・千葉県

千葉県では千葉市内と、八千代市、成田氏、柏市、印西市などで増加予想です。

印西市は千葉ニュータウンとして栄え、数年に渡って東洋経済が選ぶ住みやすい街としてトップに君臨しています。

基本的に分譲エリアですが、これだけ増加が見込まれているのであれば、どういう街なのかチェックしておいて損はないでしょう。

八千代市も分譲マンションが増加しています。成田市は今後のインバウンド需要も考えると、人口増、住宅ニーズ増の可能性も高いでしょう。

・愛知県

首都圏の都県に比べて、愛知県は人口増加のエリアが広いです。

増加エリアは、名古屋市の東側に位置する緑区や天白区など。名古屋市以外は、日進市、豊明市、安城市、高浜市、長久手市、春日井市などです。

名古屋のベットタウン、もしくは自動車関係の工場などがあり、地元に産業がある地域は人口増が期待されています。

・大阪府

大阪府の場合は、増加はあまりしないものの、それほど減りもしない地域(黄色部分)が多く、比較的安定的です。

増加するのは大阪市の中心部、茨木市、岸和田市、熊取町などのごく一部の地域です。

・福岡県

福岡市を中心に、特に湾岸エリア、区でいうと中央区、西区、粕屋町、那珂川町などで人口増が予測されています。

また比較的人口減少が少なく、横ばい状態の地域が広いです。ただし、東側には人が住まなくなるエリアが多くなっているのも特徴です。

・沖縄県

名護市より南側全体が増加傾向にあり、特に海沿いの需要は高いです。日本の他の地域に比べると異質で、移住者も多いためリゾートニーズも高いです。また、出生率が日本トップなことも関係しています。

◇人口減:人が住まなくなる危険なエリア

青色は人が住まなくなる「危険なエリア」を意味しています。

都道府県別に抜粋していきます。

左から4番目にある「非居住地化」が高い順番に並べていくと、ワースト5位までのランキングは下記のようになります。

【第1位】北海道 (非居住地化:47%)

北海道はなんといっても日本最大の面積です。札幌を中心に安定しているものの、全体的に非居住地化する地域が多いと予測されています。数値も47%と約半分…。かなり深刻化しているのがわかるでしょう。

【第2位】高知県 (非居住地化:31%)

第2位から第5位までは大体30%前後です。

県庁所在地である高知市はなんとか変化なし(黄色)ですが、増加しているところは非常に少なく、非居住化しているのも納得ですね。

【第3位】徳島県 (非居住地化:30%)

【第4位】島根県 (非居住地化:29%)

【同率5位】岩手県 (非居住地化:25%)

【同率5位】宮崎県 (非居住地化:25%)

◆まとめ│不動産は先を見越した売買を

日本の不動産事情はこのようになっています。

これから約30年…2050年はそう遠い未来ではありません。

そのときに価値のある土地なのか、価値のない土地なのか、今から調べておかなくてはなりません。

今回紹介した非居住地化TOP5の県は、これから売却を検討することをオススメします。

また、所有している物件の地域によって、早めの売却が良い場合もあります。地図と照らし合わせながら、売却を検討している場合は正しい判断を行ってくださいね。

今所有している不動産がある方は、今後の動向も見ながら、これからの日本の不動産の未来とともに冷静に判断していきましょう。

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