住み替えで不動産売却、家の購入が先?売却が先?

■不動産売却が先か?新居購入が先か?は…非常に難しい問題

住み替えをする場合、所有している不動産を売却してから購入をする方がよいのか?
それとも、購入をしてしまって売却をする方がよいのか?

これは専門家すら非常に悩む難しい問題です。専門家たちの間でも意見が真っ二つに分かれるのです。

そして専門家たちの意見を見てみると、ことごとく「ケース・バイ・ケースです。まずはご相談ください」という回答になっています。
それだけ難しい問題であり、人それぞれの状況によって「どちらがよいのか?」が大きく変わってくることが理解できます。
しかし、利用者側としたら…そんなことは分かっているというのが本音かと。

◇一般的に売却が先と言われているけど…その理由は?

ということで、一般的なお話ということで、基本的には「売却が先」になります。
これをベースに、状況に応じてどちらを先にするのか?を考えていくことになります。
何故、先に売却をしないといけないのか?ですが…。

・売却して得たお金を充てにする場合、ハッキリとした金額が分からなければ次の物件購入のリスクが大きくなってしまうため
⇒ 3,000万円で売れると信じ3,000万円の新居を購入…しかし全く売れないため2,000万円まで下げて…やっと売れた!

差額1,000万円もの借金を新たに抱えることになるため…負担が大きくなってしまうことに。
このような状況になる大きなリスクがあるため、用意できる金額をハッキリとさせ、これを元に新居を探す方法が確実になるため、売却が先と言えるわけですね。

・売却する不動産にローンが残っていた場合、新居のローンと二重で支払っていかないといけない可能性がある
⇒ 売却して得たお金を住宅ローンの返済に充て、残ったお金も新居の方の住宅ローンの繰り上げ返済に充てると考える。

しかし、なかなか売れずに二重で住宅ローンを支払続けないといけない状況になり生活が非常に苦しい状況に。
そもそも、新たな住宅ローンを組める可能性がそんなに高くないケースではありますが…多くの人が、このような状況になることが考えられます。
融資する側も「売れることを前提に考える」ため、融資をしてくれるわけですが…支払えないとなってくると、信用情報にも傷が付いてしまう可能性もあり、踏んだり蹴ったりです。

結果、売ってから売却をするのが無難ということになるわけです。

■購入を先にしたら…どのような問題が発生するのか?本当に購入が先はダメ?

「売却が先にした方がよい」というお話を見ていると…自然と購入が先にするのは、やっぱりダメなのでは?と感じてしまいます。
全くそんなことはなく、何事も一長一短があるため、購入が先でも何ら問題はありません。

例えば、売却を先にした場合、当然、退去をしないといけません。
そこから新たな物件を探すわけですから、それまでは仮住まいをしておかないといけないという状況に。
なかなかよい物件が見つからないとなると、ずっと仮住まいに住むことになるため、出費も大きなものになってしまいます。
新築を建てるとなったとしても、打ち合わせが長引いたり、着工に手間取ったりと、思い通りに進まないことも多々あります。
このように、売却から先にしてしまうと、どうしてもタイムラグが発生してしまうため、このような大きなストレスを感じてしまいます。

当然、購入を先にした場合、こういった心配が全くないのは大きなメリットと言えるでしょう。

■銀行に相談するのも1つの手…お金の流れもポイントになるため「計画」すること

結局のところ、ポイントは「お金」になってきます。
既に住宅ローンが終わっている住宅を売却し、購入先の不動産は新たに住宅ローンを組むという状況であれば、購入が先でも「差額」というリスクはあるものの、許容範囲に収まることが多いです。

また、購入先をある程度支払える目処(売却資金をアテにしなくても)があるのであれば、なおさら先に購入してしまっても問題はありません。

となると…悩ましい状態になるのは「住宅ローンが残っている状態の場合」です。
餅は餅屋という言葉がある通り、お金の問題になれば、不動産業者ではなく、お世話になっている銀行に相談するのも1つの手と言えるでしょう。
特に、地域密着型の信用金庫の場合、親身になって相談に乗ってくれるため、頼りになります。
そして「お金のことは何とかしましょう」と妙案すら出してくれるかもしれません。

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◇不動産業者・銀行を巻き込んでとことん話し合い(どうしたいか?をぶつける)をしよう!

話が少し逸れてしまいましたが、結局のところ、最初に話した専門家の見解通り、ケース・バイ・ケースが本音です。
であれば、不動産業者と銀行を、そして自分自身の三者で、これでもかというぐらい話し合うことが、答えを出す方法になります。
面倒な作業になることは間違いありませんが、急がば回れ…リスクが一番ない方法を見つけて、それに従うのが懸命な判断になるはずです。
思い通りにならないことも多いかと思いますが、一定の妥協も必要ということも理解して「どちらを先にするのか?」を決めることが一番と考えます。

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