2019年10月消費税増税、家を売る・買う不動産取引はいつが得なの?【増税前の総復習】

2014年4月に8%に上がったばかりの消費税が、2019年10月に10%に引き上げられることが発表されましたね。

消費税増税に伴って、必ず上がるものと値下がりする可能性があるものがあります。2%の差は意外と大きく、これからお得に買い物ができるかどうかのスタートダッシュはもう始まっています。
多くの商品を増税前の「買い」がオススメか、「様子見」がイイのか判断していきたいと思います。

また、大きな買い物である「家」も例外ではありません。
家の売買は消費税増税によってどのように動くのか、お得に賢く消費税増税に向けて準備していきましょう!

この記事では、「消費税増税前に買っていいもの・悪いもの」の日常編をまず紹介し、「消費税増税は家の売買取引にどのような影響を与えるか」の不動産編を紹介していきます。

◆目次◆
◆消費税増税が商品に与える影響を3つに分類する
◆消費税増税が不動産の売買取引に与える影響は?

これさえ見れば消費税増税についてぜんぶ、わかっちゃいますよ!

それではさっそく日常編からみていきましょう。

◆消費税増税が商品に与える影響を3つに分類する

生活に関連するもの、大きな買い物はなるべく早くから準備して、増税前に買っておかなきゃ!と思っていませんか?

ちょっと待ってください!

様々な商品を下記の3つに分類することで、その商品が本当に買っておくべきものなのか、増税後でも問題ないのか、見極められます。

①増税で必ず値上がりするもの
②値崩れしにくく、増税前に買っておいても良いもの
③値下がり、値引きされることが予想され、増税によってそのまま値上がりすると思えないもの

①と②は消費税増税前に購入を検討してもいい商品だといえるでしょう。

しかし、③は増税前に購入するのが得とは言い切れず、慌てて買う必要がないものの可能性があります。十分に吟味する必要があります。

それぞれみていきましょう。

①増税で必ず値上がりするもの

消費税増税によってそのまま値上がりする可能性が高いと思われるものは、下記のようなものです。

チケット関連 定期券/回数券/新幹線のチケット/国内便の航空券/アミューズメントパークのチケット(ディスニーランド、ユニバーサルスタジオジャパンなど)
定価での購入品 書籍・雑誌
美容・健康関連 定価で購入する化粧品/美容サービス/保険の効かない医療費(ホワイトニング、人間ドックなど)/常備薬
習い事 カルチャースクール/学習塾の費用
デパートでの購入品 カタログギフト/ブランド品
日用品 コンタクトレンズ/たばこ
イベント事 冠婚葬祭費用(結納、結婚式)/写真サービス
家電 冷蔵庫や洗濯機など白物家電

中でもアミューズメントパークのチケット自体の価格が最近では右肩上がり傾向で、増税の便乗で値上がりされる可能性もあるでしょう。有効期限を確認の上、増税・値上がり前の購入もありです。ただし、過去の増税の際、パックツアーは支払い時点ではなく出発時点の税率とする業者が多く、来年10月以降の旅行はチケットは9月末までに自分で購入し、個人旅行をする方がお得かもしれません。

上記のその他の商品も、有効期限や賞味期限、使用期限などに気を付けて、購入を検討してもいいと思います。

また、家電については注意点があり、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電は増税後も値崩れしにくく増税前の買い替えがお得と思われます、テレビやパソコンなどは増税後に値下がりするケースが過去の例からわかっています。テレビやパソコンのモデルチェンジは頻繁なので、価格を抑えたいのであれば型落ちを狙うのが賢明でしょう。増税率よりもはるかに値引きされていることが多いのです。

②値崩れしにくく、増税前に買っておいても良いもの

値崩れしにくいと考えられるもの
詰め替え用品 浄水器のカートリッジ/プリンターのインクカートリッジ/空気清浄機のフィルター/ゴミパック/電動アシスト自転車やルンバなどのバッテリー/ネスプレッソのコーヒーカプセル
増税前の値引きの可能性があり、購入を検討しても良いもの
使用頻度は低いが、高価なもの 墓石・仏壇/喪服/ガステーブル/呉服/五月人形/高級なパールのネックレス/
使用頻度が高く、あると便利なもの ランドセル・学習机/電動アシスト自転車/長袖のワイシャツ/塩・砂糖/非常食

値崩れしにくいものは、詰め替え用品や交換品です。すでに本体を持っているため、交換品は定期的に必要となり、また値引きしなくても売れるので値崩れもしにくいです。増税前に備えておいて良い商品だといえるでしょう。

また、増税前に行われるプロモーションなどで値引きされる可能性があり、購入を検討しても良い商品もあります。

増税前に買ってよいのはここまで!

③値下がり、値引きされることが予想され、増税によってそのまま値上がりすると思えないもの

最後に、あまり購入をオススメしないものはこちら。

日用品 洗剤・トイレットペーパーなど
ファッション 衣類
食品・飲料 米や水など

日常的に値段が上下しやすい日用品や食品・飲料などは先に買い込む必要性はないでしょう。増税後の値下げセールなどで増税前よりも十分に買える可能性が高いからです。

注意していただきたいのは「自動車」です。車を購入するとき、適用される税率が決定されるのは「登録時」です。ナンバープレートの登録には時間がかかるため、増税直前に選んでいるとギリギリになってしまいます。買う予定がある場合はスケジュールに余裕をもって購入しましょう。理想は、早い時期から準備して3月や9月など決算期前にディーラーと交渉し有利な条件で購入することです。決算期1ヵ月半前から動くと、複数の見積もりを取って購入を検討できるので、2019年2月ごろからがオススメです。もし出遅れてしまったら、増税に向けてあまり値下げがされないことも考えられるため、ギリギリであればむしろ増税後に値引きやオプションやサービスを受ける交渉込みで検討するのも良いかもしれません。

また、「純金」についてもデマが流れている可能性が高いので注意していただきたいです。「増税前の純金購入で得する」といった説があります。純金の売買は消費税を含んだ価格取引となるため、増税前に購入にして増税後に売却すれば、税率2%分の差額で得をするというデマです。増税のたびにこういった話は出てきますが、これもあまりあてにはできません。それは金の値動きの特徴を見ればわかります。金の価格は短期間で大きく動くため、2%の税率はあまり意味がなく、少額取引の手数料などを考えればあまりオススメはしません。

増税前は、こういったデマに翻弄されない情報をキャッチしておきましょう。

【消費税増税による注意点ピックアップまとめ】

・家電は「白物○」「テレビ×」
・旅行「チケット購入○」「ツアー手配×」
・日用品「薬○」「トイレットペーパー×」
・自動車の購入はゆとりを持って
・「純金で得する」はあまり期待できない

◆消費税増税が不動産の売買取引に与える影響は?

不動産売却は増税前の方が良いのでしょうか?もし増税後に売るとしたら、売れにくい状況になってしまうなど、前後でリスクはあるものなのでしょうか?売主としては気になるところですよね。

結論から言ってしまうと、売主が一般の個人の場合、消費税増税による金額面の負担は増えますが、わずかです。

というのも、消費税増税が影響するのは下記の項目のみです。

仲介手数料
諸費用

土地の譲渡はすべて非課税で、消費税はかかりません。同じく建物の譲渡(売買取引)も消費税はかかりません。

ただし、売主や不動産業者などの課税業者が所有している不動産を売却する場合は、建物だけ消費税がかかるケースもあります。

つまり、土地・マンション、一戸建てなどの不動産の売却価格には消費税はかかりませんが、売却の際の仲介手数料や諸費用には消費税がかかるため、増税の際はこの費用が増えてしまうことを意味しています。

◇具体的にはいくらくらい増えるのか?

仲介手数料の割合は宅地建物取引業法によって定められており、売買代金に異なります。

計算方式は下記のような【速算法・簡略式】が多く用いられています。

・売却価格200万円以下の場合「売却価格×5%」
・売却価格200万円超~400万円の場合「売却価格×4%+2万円」
・売却価格400万円超の場合「売却価格×3%+6万円」

多くの方が「売却価格×3%+6万円」と覚えているのではないでしょうか。それは、多くの場合が400万円以上の取引になるからなのです。

厳密にいうと、例えば500万円の不動産取引の場合、

200万円×5.4%+200万円×4.32%+100万円×3.24%

という、3段階方式で手数料が算出されます。

これでは計算式が複雑ですよね。なので、一般的には400万円以上の不動産売買の仲介手数料は「売買価格の3%+6万円」の速算法・簡略式が用いられています。

不動産売却の価格別にかかる仲介手数料の簡単な計算方法&注意点2点
取られ過ぎてるかも?!「不動産仲介手数料」の相場とは?

例を挙げて、増税前と増税後の仲介手数料にかかる消費税の差額をみてみましょう。

マイホームを5,000万円で売却した場合

  • 消費税8%・・・仲介手数料額→5,000万円×3%+6万円+8%消費税=1,684,800円
  • 消費税10%・・・仲介手数料額→5,000万円×3%+6万円+10%消費税=1,716,000円
  • 消費税差額=1,684,800円-1,716,000円=31,200円

このように、仲介手数料にかかる消費税の増税分だけをみると、それほど影響は大きいとは言えないでしょう。数万円の差額を気にして増税前に不動産を売却しなければならないと焦る必要もないでしょう。

しかし、増税前は世の中がせわしなく、駆け込み需要が高まります。多くのメディアが「増税前に買うべきか?増税後が得か?」などの特集をくんだりと不動産購入を促す流れになっているもの事実です。そのため、世の中の傾向的にみて売り時は増税前のような気がしてしまいます。

◇購入の場合の2つの注意点

不動産の購入の場合は、注意しなくてはならない点が2つあります。

一つは、物件の「引き渡し」のタイミングです。消費税8%のときに住宅を購入したいと思ったら、その期限は「2019年9月30日」です。この日までに引き渡しをしなくてはなりません。
不動産売買契約の締結が済んでいる場合でも、契約から決済まで時間がかかるので、それを逆算して住まい探しをする必要があります。

次に、注文住宅を建てる場合には、工事請負契約の締結時期が重要です。請負契約が「2019年3月31日」までに締結していれば、引き渡しが2019年10月以降になっても8%の消費税が適用されます。

◇さいごにお得情報│「住宅ローン控除」で増税のダメージを緩和

ここまで増税、増税…疲れましたよね。お疲れさまでした。

最後になりましたが、お得情報を。

住宅の購入の場合は、取得して6ヵ月以内の入居、その後も住み続ければ入居した年から10年間ローンの残高の1%相当額が所得税から控除される「住宅ローン控除」が受けられます。
10年間で最大400万円の所得控除が受けられるので、所得税や住民税の負担が大幅に軽減されますね。
住宅購入の際はぜひ使いたい控除ですね。

◆まとめ│日常編と不動産編

いかがでしたでしょうか?

・「消費税増税前に買っていいもの・悪いもの」の日常編
・「消費税増税は家の売買取引にどのような影響を与えるか」の不動産編

をご紹介しました。

それぞれのまとめをしていきたいと思います。

【日常編】

商品を下記の3つに分類し、増税前の購入①②は○、③は×

①増税で必ず値上がりするもの
②値崩れしにくく、増税前に買っておいても良いもの
③値下がり、値引きされることが予想され、増税によってそのまま値上がりすると思えないもの

◇消費税増税による注意点ピックアップまとめ

・家電は「白物○」「テレビ×」
・旅行「チケット購入○」「ツアー手配×」
・日用品「薬○」「トイレットペーパー×」
・自動車の購入はゆとりを持って
・「純金で得する」はあまり期待できない

【不動産売買】

土地・マンション・一戸建てなど不動産の売買金額は消費税は関係ないため、増税も影響しません。

増税に関わってくるのは、仲介手数料と諸費用のみです。

しかし、消費税が8%から10%になる差額を計算しても、5000万円で約3万円、8000万円で約5万円と、焦って売却をしなければならないほどの金額だとは言えないでしょう。

ただし、増税前にはメディアが不動産の購入を煽る動きがでており、そういった流れを考慮すると増税前に売却をするのがベターだといえるでしょう。

増税される金額ではなく、需要や購入希望者の母体数の問題です。

不動産売買の動きが激しい波をお見逃しないよう、早期売却を目指してくださいね。

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