不動産投資は『激安ボロ物件のリメイク投資』の時代へ

中古マンション投資や高級マンション投資、アパート投資、サラリーマン大家など、不動産の投資には様々なものがあります。

過去には不動の資産と呼ばれた不動産の時代が、平成の終わりとともに変わりつつあるのをご存知でしょうか。

最近では、スルガ銀行が不動産関連の不正融資を行ったことで不動産融資業界の引き締めの動きが強くなる「スルガショック」なども記憶に新しいでしょう。

時代の波を受け特に減少しているのが不動産業の「個人の貸家業」向けです。会社員でもマンション投資ができたり、個人地主がアパートを建てるときに借りるローンのことで、2年連続減少しているといいます。

時代は変わろうとしているのです。

「不動産投資」はマンションやアパート、ローンを組んでそのローンに何十年も縛り付けられていた時代から、激安ボロ物件をリメイクして自分の手でお宝にする時代へ。

「不動産投資は多額の元手と大きなリスクがある」といわれる固定概念を覆す時代に。

常識は常識ではなくなりつつある現代、不動産投資の新しい形をお見せします。

◆ボロ物件を一括現金購入、リメイクで生まれ変わる物件

「専業主婦で子育てがひと段落したときに不動産を見ることにハマり、その知識を活かし少額でも購入できる不動産を購入しては徐々に物件数を増やし続けてきました」

そう語るのは以前にもインタビューをしたベテラン投資家Sさん。現在は関東の地域に住みながら、地方の物件などを調べ訪れ、良ければ購入するという生活を送っているそうです。
不動産の管理をするのはあくまでも自分自身、もしくは現地の不動産会社だといいます。

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「ボロ物件投資法には、大切な点があります。地域のニーズを考えて物件を選ぶことです。
関東、もしくは地方に絞って物件を調べているのですが、それは土地によって不動産投資の向き不向きがあるからです。私が見る不動産は投資に向いている、磨けば光るお宝物件があるからです。」

例えば、Sさんは日本最大都市とも名高い「福岡」でも物件を購入しています。それはもともと福岡出身ということの他にも、田舎特有の「車社会」、そして「人的要因」が関係しています。

「福岡の都市部から外れると、一気に人気がなくなり過疎化が進んでいます。しかし、そうした中にも必ず需要はあるもの。田舎は車を所有していることが多く、駅から徒歩15分程度であればまだまだ人気があります。しかし、過疎化によって長年放置されていたり、急な坂道を登らなければたどりつけなかったりと難のある物件は存在します。そうした物件は高額では売れず欲しがる人も限られてくるので、価格帯が非常に低いのです。中には100万円以下といった破格の値段で売られていることも。」

物件を安く購入したところで、賃貸需要がなければ家賃収入にはなりません。しかし、こういった点にもその土地の特徴を見る目が必要なのだとそうです。

「一見需要のないようにみえる過疎地も、人口の増減や特色を考えるとわかってくるのです。福岡は中心地と周辺地とで分かれています。周辺地は活気づくことはありませんが、死なない土地です。つまり、高齢者が住むには非常に住みやすいのです。家賃は低めでアクセスに難があっても物件が古くても、需要が一定数存在しているのは強みです。
ボロくても築年数が経っていても、リフォームで綺麗にすれば『安くて広い家に住める』と喜んで借りてもらえるのです。多少の難は家賃の低さで補いながら、広くて快適な暮らしを手にしたいという人が多いということです。これは福岡だけではなく、他の地域でも条件さえ満たしていればボロ物件はお宝物件に変わります。」

◆遠方で投資するには、現地人とチームを組むべし

近くに条件を満たす地域がなかったとしても諦めるには早いですよ。遠方から投資をするのも不可能ではありません。実際、Sさんは関東圏に住んでいながら、福岡の物件を購入しています。

「他の地域に住んでいながら投資することも可能です。そのときにオススメなのが、現地の人とチームを組み、協力し合うことで小回りのきくフットワークを作ることです。やはりいい物件を見つけるためにはたくさんの物件を見なくてはなりません。ネットや情報網を駆使しながらいいところには足を運ぶという作業が必要不可欠なんです。ただ、県外から投資する方はいける時間や滞在時間なども限られてきます。一人では限界があるので、現地の人と組んで動いてもらうほうが効率的です。謝礼を支払ったとしても、結果としてのリターンは大きいはずです。」

不動産投資は情報収集だ。ともいうほど不動産投資の成功には情報収集がカギだというSさん。事前のリサーチとはどういったことを行っているのでしょうか。

「地域による賃貸需要は当然ですが、そのほかにも利回りの計算や物件の瑕疵、シロアリや雨漏りのチェック、インフラ設備なども抑えておきたい事項です。実は、こうした事前チェックの危険性が他よりもボロ物件は多いので、こうした項目のチェックだけでもボロ物件のリスクをかなり減らすことができるんです。

例えばリフォームの費用も複数の業者に相見積もりを取るべきです。気になる物件はすぐに地元の不動産業者に問い合わせしてみるのが良いでしょう。

以前ネットでの情報収集を行っていた際、掲載された物件が約10時間後にはなくなっているといった例もあります。私も見つけた時にすぐに問い合わせをしていました。非常に人気ですぐに買い手が見つかる可能性が高いとのことで、実際10時間ほど経ってみてみるとなくなっていましたね。

全国の投資家たちは行動が早いです。善は急げですね。」

◆ボロ物件のリメイク一例

ボロ物件を購入し、自分でリメイクしたほんの一例をご紹介します。

難しい作業は専門業者にしかできませんが、素人でもここまで出来るのかと感心の出来です!

ケース① 床の引っ搔き傷

【BEFORE】傷だらけの床も…

【AFTER】ピカピカつるつるに✨

ケース② 玄関周り

【BEFORE】剥げた塗装も…

【AFTER】塗り直せばこんなに綺麗

【AFTER写真のみ】塗り直しで靴棚が生き返った!

◆さいごに

初期投資を抑えられるボロ物件でも、収益がなければ意味がありません。より確実にリターンを得るためにも、情報収集は欠かさないことが大切なのでしょう。

大規模な投資ではなく、ボロ物件をリメイクでお宝に変えるいわば「宝探し投資法」…。
こうした小規模ながらノウハウをフルに活かし着実に生き残る、「ボロ物件投資」が新たな不動産投資法として定着するのも、そう時間はかからないかもしれない――――――。

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