空き家放置で固定資産税が6倍!?対策や助成・免税を知っておこう

「固定資産税」それは、不動産を所有する者が年に一度支払わなければならない税金です。固定資産税はその年の1月1日の時点で土地や家を持つ人が市町村に支払います。(東京23区は東京都に支払います。)

このとき注意しなければならないのは、祖父母や両親・親族から家を相続・贈与した場合でも、住まずに空き家となっている場合にも発生するという点です。名義を張っている以上は支払い義務が生じます。しかし、空き家になっていると固定資産税が6倍になる可能性があるって知っていましたか?

今回は、年々増え続ける空き家問題と、固定資産税の仕組みをみていきます。

住居ではない不動産を所有していて、どんな形であれば現在空き家になっている人は要注意です。

◆空き家は年々増え続けている

実は、この狭い島国・日本でさえ、空き家が増え続けています。土地に限りがあるのに余っているという現状…

どれほど空き家があるかというと、下グラフでみるとよくわかります。

総務省が発表している「空き家等の住宅に関する主な指標の集計結果について」に掲載されています。

下の黒い棒グラフが空き家数、上の線が総住宅に対する空き家の割合です。全体的に増えているのが見て取れます。そして、このように年々増え続けている空き家と切っても切り離せないのが固定資産税です。
密接に関わる固定資産税をめぐって、法律が変わろうとしていました。

それが平成27年5月26日に完全施行された「空家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)」です。これは、手入れがされておらず放置されている空き家に向けて、防災面、防犯面、衛生面、景観面、また活用促進を目的とした法律です。これによって、各自治体が空き家リサーチを行い、「悪影響があるとされる空き家」とみなされればこれまで支払っていた固定資産税の6倍(最大)になる可能性があるのです。

どういった不動産がその対象に当たるのか?詳しく見ていきたいと思います。

【深刻な空き家問題】

空き家バンクとは?制度や活用方法を徹底解説

不動産の価値ゼロ!?空き家問題は深刻。都内ですら氷河期到来の予感【コラム】

◆住居用じゃない不動産は固定資産税が高い

今回の場合、居住していない空き家は固定資産税の優遇がないという点が鍵です。

「空家対策特別措置法」では、自治体が「ある状態」であると判断した空き家に関しては、「住宅用地の特例」という優遇をなくすということが決定したのです。

この「住宅用地の特例」とは、その場所に住んでいる場合はその土地に対して最大6分の1に固定資産税が軽減されていたのですが、それを元の税率に戻すというを表しています。(これは全国一律1.4%だとされています。自治体による場合あり。)つまり、優遇されて6分の1になっていた税金が戻ることによって、6倍の額を支払わなくてはならない可能性があるのです。

土地の状態 固定資産税
空き地(更地で建物もない状態) 課税標準額 × 1.4%
1戸につき200㎡以下の住居用地部分
小規模住宅用地
課税標準額 × 6分の1× 1.4%
1戸につき200㎡以上の住居用地部分
一般住宅用地
課税標準額 × 3分の1× 1.4%

※課税標準額は、各自治体によって変わります。

この表で見られる、住居がある場合が更地よりも固定資産税が軽減されているのが「住宅用地の特例」です。

また、建物にも固定資産税はかかります。その場合は「課税標準額 × 1.4%」がそのまま適用されます。

《課税標準額とは》

課税標準額とは、国土交通省が年に一度定める地価公示価格の70%を目途に計算された「固定資産評価額」から算出された税金の元になる価格です。

固定資産評価額は3年毎の見直しがあります。不動産の所有者には毎年5月頃に固定資産税の納税通知書が郵送されますので、そこに記載されています。もしくは手数料300円ほどで自分で各市町村役場窓口で閲覧が可能です。(東京23区の場合は都税事務所)

◆これらに当てはまると固定資産税が6倍!!

では、どういった項目に当てはまると「特定空き家」になってしまうのでしょうか?

以下の4項目のうち1項目でも当てはまると「特定空き家」に指定されてしまいます。

1.倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

古くなり破損したり、門や看板、瓦屋根などに倒壊の恐れがある建物です。

出典:NPO法人空家・空地管理センター「特定空き家とは?~どんな状態を指すのかイラスト付で解説します~」より

より詳しいページはこちら⇒【1】そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

2.著しく衛生上有害となるおそれのある状態

ゴミ・汚物の放置で異臭が発生したり、害虫・害獣が発生・繁殖し衛生的に有害になる恐れがある建物がこれに当たります。


出典:NPO法人空家・空地管理センター「特定空き家とは?~どんな状態を指すのかイラスト付で解説します~」より

より詳しいページはこちら⇒【2】そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

3.適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

壁の落書きやツタ・木の繁殖、ゴミなどが放置されているために景観を損なう原因になっている。または、周囲と景観の差が顕著に表れており不調和な状態がこれに当たります。

出典:NPO法人空家・空地管理センター「特定空き家とは?~どんな状態を指すのかイラスト付で解説します~」より

より詳しいページはこちら⇒【3】適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

木が散乱したり、倒壊したり、動物が住み着いているなどで鳴き声や糞尿の被害がある。雪が積もり落雪の恐れがある、不審者が隠れ家にするなど、近隣住民に危険や悪影響が出る可能性があることです。

出典:NPO法人空家・空地管理センター「特定空き家とは?~どんな状態を指すのかイラスト付で解説します~」より

より詳しいページはこちら⇒【4】その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

◆「特定空き家」に指定されたら即対応せよ

どのような流れで「特定空き家」に指定されるかというと、まず自治体が立ち入り調査を行い、助言・指導が行われます。その後改善が見られれば、「特定空き家」が解除され、改善が見られなければ即「住宅用地の特例」から適用が外され、固定資産税が元に戻り6倍になります。

また、立ち入り調査を拒否すると20万円以下、その後に市町村長からの勧告を無視すると50万円以下の罰金を支払わなくてはなりません。

「特定空き家」にされるには期限があり、その期限内に改善されていない場合などは「行政代執行」として強制的な対処がなされます。それは主に解体撤去です。そしてその際にかかる費用は全て所有者負担です。費用を払えない場合は財産の差し押さえまで行われます。

このように、「特定空き家」に指定されたにも関わらず、対応を怠っているとさらに面倒なことになります。すぐに対応するようにしましょう。

◆「特定空き家」になる前に助成金や減免で得する方法

もし、「特定空き家」に指定される前であれば、対処法があります。

それは、解体にかかる費用が補助金で賄えるかもしれないのです。自治体によって変わりますが、建て替えや売却などの対策は早いに越したことはありません。

また、助成金や補助金は解体やリフォームを行う前に申請しなければなりません。

お住まいの街にどのようなリフォームがあるか知りたいときは、この方法を使うと便利です。

持ち家の人必見!あなたの街の「リフォーム支援制度」を調べる方法

◆日本全国「空き家率ランキング」

ちなみに、日本の中で最も空き家率が高いのは長野県の「北佐久郡軽井沢町」です。
軽井沢とついているのに意外な気はしますが、観光地ではないようですね。

その他の空き家率の高いランキングは下記のようになっています。

出典:全国の空き家率ランキング TOP100より

上位には関東甲信越地方が多く、地方の過疎化は都心に近いところでも見られています。

あなたの地域がどのくらいの空き家率が一度確認してみてください。

今後、日本の空き家は年々増えていくと思われます。空き家対策をしっかり立て、国全体で取り組んでいかなくては減少はしないでしょう。不動産を持っている方は注目しておきましょう。これから、不動産の価値がどのように変動するかを知っておく必要があります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする