家は生き物!空き家を放置して「生きる負債」になる前に出来ること

空き家を所有していて困ったことはありませんか?

相続した家などが空き家になりそうで心配になることはありませんか?

本来なら、空き家になることが予想されたら早めの対策が必要です。

空き家になるその前に考えておかないといけないポイントを解説します。

現在は日本各所空き家問題で大騒ぎしていますが、なぜそんなに騒ぐ必要があるの?と考えがちです。

空き家を持っていない人は、そのまま置いていて何が問題なの?と思うかもしれませんね。

しかし、空き家を放置していると、家は、家としての務めを果たさなくなります。年々使い物にならなくなると考えなければいけません。空き家は放置すればするほど財産価値をなくします。人の住まない家は、思った以上に老朽化し、財産どころか、お金がかかって仕方のない代物になってしまいます。

空き家になって放置してから考えたのでは、もう遅いのです。

想定外の困ったことがいっぱい発生するのです。

空き家を見過ごしてはならない理由を紹介していきます。思った以上に根深い問題ですので、対処できるうちに対処してしまいましょう。

◆空き家所有者が確認しなければいけない6つのこと

空き家所有者は、家を放置しておいてはいけません。なぜなら、「家は生き物だから」です。

家は誰も住んでいないと、とたんに老朽化していきます。負債が生きてるようなものなので、どんどん悪化していきます。

家は日々手入れをしていかなくては、負債を生産するだけの物になってしまうのです。旅行から帰ってきたら誰もいないのにホコリが溜まっていた、なんてことはありませんか?数日間でもそうなるのです。

家を放置すればするほど、物になっていくのは、家そのものが生きているも同然だからです。
人が住んでいないと様々な問題が生じていきます。

家は築10年で価値がゼロになるって本当?

①カビ問題

まず、閉め切り状態で空き家を放置していますと、湿気でかび臭くなります。これは必ずと言って出てくる問題です。カビは何処にでもいる生き物です。特に薄暗く、換気が悪い場合、地面からあがってくる湿り気が一番大敵です。また、空気中の水分が壁や床に結露して換気がおろそかになると壁や床に吸収されます。湿り気状態がそのままだと、どんどん内部に浸潤してしまいます。さらに長期間蒸発されずにいると、木材や壁材が腐りだします。

そうなると、家の素材にカビが生えます。すると、いくら除湿しても間に合わない状態となります。カビ取りをすればいいのではという考えは甘いです。カビは一度大量発生すると、家全体がすべてカビだらけになると言っても過言ではありません。とにかく、カビ臭が取れません。

②雨漏り問題

人が住んでいれば雨漏りの音や、天井や壁などからの滴りなどで雨漏りに気づくことも多いです。しかし、人が住んでいないと、雨の日にわざわざ空き家に出かけることが少ないので、雨漏りがとんでもない状態になるまで気づきにくいものです。人が見た目で気づいた状態では、建物の内部まで侵されているはずです。天井のシミ、壁のシミ、床の滴りあとなど注意しないと気付きにくいです。

雨漏りは、屋根からもありますが、壁からも入り込みます。また、家の構造上雨が捌けにくい状態の家では、必ず雨漏り問題が発生します。新築では大丈夫かも知れませんが、年月が経つにつれて老朽化します。時間の問題です。

雨漏りを放置した場合、家が使い物にならなくなることがあります。また、雨漏りのために屋根瓦の補修や屋根の吹き替えなどをおこなわないと対処できないことも多々あります。

そうなると、莫大な費用が掛かります。屋根の修理は危険を伴うため、必ず足場を組んで慎重にしなくてはいけません。しっかりした工事業者でしたら、足場なしの工事は引き受けてくれません。従業員を危険にさらしてしまうからです。足場を組むだけでも、数十万円かかります。その上危険な特殊工事になりますので、屋根工事は数百万円に上ることもあります。

そうなる前に、雨漏りは家を所有したら絶対に見逃してはいけないポイントとなります。

③シロアリ問題

家は都会だし、シロアリなんていない・・・と思っていませんか?

シロアリは何処にでもいます。どんな大都会であろうと、朽ちた木がある限り生存します。

シロアリはゴキブリ科に属し、木や紙や畳、襖まで何でも食べます。その繁殖力は、一日に数百個の卵を産み続け繁殖し続けるのです。熱帯地方のシロアリなどは、1日に5万個の卵を産み続けるといわれています。シロアリの増殖能力は家にとっては大迷惑です。頑丈なイメージのあるマンションでさえも、一度シロアリの住処になれば凄い繁殖力で、木材を食い荒らしていきます。

空き家になった場合は、余程予防策をしていない限り、シロアリの格好の住処になります。

家は、新築の場合は必ず防蟻処理の薬剤を散布して、10年くらいはシロアリにたべられないように処理されています。しかし、その薬剤も限りがあります。空き家になった古い建物は、雨戸を締め切り薄暗く、湿気がこもってシロアリのための家となってしまいます。放っておくと数年で柱や土台が根こそぎなくなります。それくらい、食用旺盛で、繁殖力が強く、次々と巣を拡大していきます。

シロアリに見込まれた空き家は、もはや土台ごとやり直さなければ使い物にならなくなります。土台や柱の工事は、襖や壁紙を張り替える工事どころではなく、大々的な工程となって、工事費がかさみます。おまけにシロアリ駆除の消毒や工事、予防処置などをしなければならなくなります。その場合のシロアリ駆除工事は甚だ高額です。

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④雑草問題

空き家をお持ちの方を悩ませるのが、雑草問題です。

冬場は草が立ち枯れて伸び率が悪いのですが、4月から5月にかけての陽気で、一気に雑草が繁茂します。そして、6月の梅雨にしっかり根を張らせて、7月~8月はとんでもなく成長します。雑草をずっと放置していた場合は、雑草の背丈が2~3mにもなります。家はもはや雑草に埋もれてしまいます。

そして、厄介なのは、つる植物です。蔓で家の周りに巻き付き、家を徐々に覆っていきます。つる植物は、壁を伝って屋根の上まで到達し、雨樋や瓦に巻き付きます。そうなると、家に根を張るようになり、外壁の隙間から瓦の隙間まで、根っこが入り込んでしまいます。そこから雨が家の中に侵入し、それが、雨漏りの原因になり、家が早く朽ちる原因にもなります。

そこまでいったら、家はもう廃墟になります。雑草を放置した家のたどる道です。わずか数年で雑草に覆いかぶされてしまいます。それほど雑草は強く繁茂し蔓延るのです。

そうならない為にも、月に1回の雑草取りが欠かせません。空き家をお持ちの方は、何が大変かといったら、雑草取りの手間が一番苦痛になります。近所迷惑にならないよう気を使わなければなりません。

雑草取りの業者もいて、定期的に雑草取りと家の窓開けを請け負う商売もあります。それもすべて有料ですので、空き家を持ち続けるということは、かなりのお金をかけていかないと維持ができないと思ってください。

⑤庭木剪定

もう一つ厄介なのは、庭木の大木化です。木は、いつもきれいに選定していたら大きくはならないのですが、形がいびつになり、とんでもなく大きくなる木もあります。また、道路に大きくはみ出したり、隣に覆いかぶさったりと、迷惑千万です。

庭木も生きていますので、どんどん大きくなります。花や葉が散ったときなどは、残骸をまき散らし、隣近所に迷惑をかけてしまいます。住んでいるなら、いつも手入れし掃き掃除もできますが、空き家にしていると常に監視することは不可能です。そうなると、近所の方から苦情を言われることも覚悟しなければなりません。

そうなると、庭木を剪定したり、大木を根元から切り倒したり、重労働の作業が必要です。業者に頼むと庭木の剪定や切り倒し作業には、かなりの高額がかかると思ってください。

お庭の広さにもよりますが、常に良い状態を保つには、一年に数十万は必要です。

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⑥野生動物の侵入

もう一つ困った問題は野生動物が空き家を住処としてしまうことです。

野良猫はもちろん、ネズミ、イタチ、時にはタヌキなど、必ずと言っていいほど入り込んで寝床にします。それから野鳥なども巣をつくりますよ。キツツキなどがいる田舎では、家に穴がポコポコ空いているのを見かけます。それらも、雨漏りの原因になり、老朽化を早めてしまいます。

野生の棒物は家の隙間から出入りします。野生の動物は少しの穴でも、大きくこじ開けて入り込むことが可能です。人の気配がしない家は、野生の動物はすぐにわかります。

一番困ることは、病原菌です。また、野生の動物が宿しているダニやノミが家に湧きます。

そうなると、家にスモークの薬剤などを焚かないと根絶できません。本当に厄介です。

また、電線をかじるので漏電の危険も出てきます。火の気のないところで火事が起こるのです。そうなると、すべて、持ち主の責任です。怖いですね。

◆まとめ│空き家になるかもしれない家は、まず査定しよう

空き家を持っている人、または空き家になりそうで困っている人が、考えなくてはいけないポイントが2つあります。

空き家になる前に、早めの備えを!!

空き家になりそうな場合、将来の相続などに備え、家屋を誰が引き継ぐかなどを、所有者や親族同士で、しっかり話し合いをしておくことをお勧めします。

年老いた家族が所有者の場合、いずれ誰かがその家屋の引継ぎをしなければいけません。そして、亡くなった後では、相続問題がとても煩雑です。そうなる前に、話し合いをし、出来れば相続手続きなども終わらせておくことをお勧めします。

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空き家になったら早めの決断を!!

家は人が住まなくなったら、痛みがかなりの度合いで進行してしまいます。

一般の人が想像している以上に、空き家の老朽化は早く進みます。

もし、空き家になったら、早めの対処をお勧めします。

管理をするか、修繕をするか、売却するか、賃貸に出すかなど、しっかり親族で話し合い、早め早めの対応を心掛けましょう。

総じていえるのは、空き家になる可能性が出てきた段階でまず査定をしておくことです。今この瞬間が最も価値が高く、これから先は落ちていきます。今の段階での価値を知っておきましょう。

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