不動産売買の前に不動産業者の免許番号と、行政処分歴の確認方法

自分の物件を売却してくれる不動産業者を選ぶときや、新築物件を分譲している売主が「どんな会社」かは気になるものです。
不動産業者の信頼性を確認する「1つの方法」として、免許番号の確認と行政処分歴の確認という方法があります。

今回はこの2点を中心に詳しく解説します。

1.不動産業者の免許について

そもそも、不動産業者の免許とは、不動産業者が取得する宅地建物取引業の免許のことです。宅建建物取引業を行いたい不動産業者は、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けることで、宅地建物取引業を行うことができるのです。

1-1宅地建物取引業とは?

宅地建物取引業とは、具体的には以下のような業務になります。

・宅地、建物の売買
・宅地、建物の交換
・宅地建物の売買、交換の代理や媒介

つまり、新築不動産を分譲したり、中古不動産を仲介したりしたい場合には、宅地建物取引業(通称:宅建)の免許が必要ということです。そのため、一般的に「不動産業」と呼ばれる業務をしたい場合には、宅地建物取引業の免許は必須になります。

1-2免許番号について

つづいて、宅地建物取引業の免許番号についてです。宅地建物取引業の免許は

東京都知事(1)第×××××号

のような記載になります。この()内の数字は、免許を更新した回数を示しています。

つまり、新しく免許を交付されたばかりのときは(1)という表記になり、以降5年ごとに行われる更新をする度に、(2)(3)と数字が増えていきます。

◇免許番号の注意点

ここで注意したいのは、()内の番号が若いからと言って、不動産業の経験が少ないとは限らないということです。たとえば、A社は「東京都知事(5)」の免許を保有していたとします。(5)ということは、20年以上宅地建物取引業を行っているということです。

ただ、A社が東京だけでなく神奈川県に営業所を置く場合には、東京都知事免許から国土交通大臣免許に切り替わります。免許の発行者が変われば()の数字は1に戻るので、「国土交通大臣(1)」からのスタートになるのです。

そのため、「(1)の会社=経験の浅い会社」と思い込まずに、きちんと営業マンの対応や知識で優良不動産業者かを見極めましょう。逆に()内の数字が大きくても、それは「宅地建物取引業」を営んでいる期間が長いというだけです。

その「期間」だけで判断せずに、先ほどと同様に会社の中身や営業マンの対応で判断しましょう。

◇もちろん、悪徳業者ばかりではない

不動産売買において、業者に不信感や不安を感じるようであれば免許番号や行政処分歴の確認を勧めますが、もちろんすべての業者が悪徳業者というわけではありません。
しっかりと見極めることが大切です。
悪徳業者と疑ってばかりいられたら、業者側も気分が悪いですし、頑張ろうという士気を弱めてしまうかもしれません。
直接的に「悪徳業者めっ・・!」と疑うのではなく、どういったときに疑うべきなのかを知っておくほうが良いです。また、次項以降で解説する「行政処分歴」も参考にしてみましょう。

この記事では、「免許番号」と「行政処分歴の確認の仕方」を紹介した後、どのような売却活動が「不信感」に繋がるかなど、様々な意見からひも解いていくことにします。その詳細は後半で紹介していきます。

2.行政処分とは?

そもそも行政処分とは、読んで字のごとく、行政(国が統治している機関など)が民間企業などを処分することです。不動産でいえば、「宅地建物取引業を営む法人」になるので、この場合には国土交通大臣か‎都道府県知事が「行政」になります。

そのため、宅地取引業という法律違反があった場合には、国土交通大臣もしくは都道府県知事より処分されるということです。処分の内容は業務改善を目的とした「指示処分」や、一定期間業務を停止する「業務停止処分」、そして最も重い処分としては「免許取消処分」などがあります。

具体的には、以下のような「宅地建物取引業法違反」で行政に処分された事例があります。

・賃貸借契約の際に取引主任者による面前説明を行わなかった:7日間の業務停止処分

・賃貸借契約書の交付を行わなかった:30日の業務停止処分

・営業保証金義務があるのに保証金を供託せず是正にも応じない:免許取消処分

3.行政処分を調べる方法

不動産業者が行政処分を受けたことがあるかどうかを調べる方法は、行政機関の所有している「名簿」を見るという方法があります。
自分の調べたい不動産業者がどの名簿に記載されているかは、「管轄」によって異なります。

3-1国土交通省、地方整備局管轄

国土交通省や地方整備局の管轄は「各地方整備局などの管轄危機に本店がある国土交通大臣免許」の業者です。
以下の国土交通省のホームページにアクセスして問い合わせることで、行政処分を受けたかどうかを確認できます。

※1国土交通省 地方整備局に関する窓口

3-2都道府県管轄

つづいて、都道府県管轄です。都道府県の管轄は、以下のような業者になります。

各都道府県知事から免許を取得している業者
各都道府県に本店が所在する国土交通大臣免許の業者

これらも前項と同様、以下の国土交通省のホームページ※2より問い合わせをすれば、行政処分歴を調べることが出来ます。

※2国土交通省 都道府県に関する窓口

3-3ネガティブ情報等検索システム

また、国土交通省と一部の都道府県では、インターネットで行政処分歴を調べることは可能です。ただし,

処分の情報は直近5年分のみになるので、過去に遡って検索したい場合にはこのサイトでは調べることはできません。

※3国土交通省ネガティブ情報等検索システム

3-4都道府県知事が行った監督処分情報※4

また、上記のネガティブ情報等検索システムに関連して、このシステムを都道府県ごとの一覧で見られるサイトがあります。
このサイトを利用すれば、都道府県ごとに一覧で不動産業者を調べることができるので、検索してもヒットしなかったときなどに有効です。

※4 都道府県知事が行った監督処分情報

4.売買契約を結ぶ上で見極めたい「仲介業者の特徴」

それでは、実際に悪徳業者の見極め方を見ていくとともに、不信感を抱くポイントについても紹介していきます。
まず、悪徳業者の定義

免許番号を持っていない
両手仲介やサブリースなど、自分たちに優位に進めようとしてくる
仲介手数料がめちゃくちゃ高い

などです。
免許については確実に違法です。不正に営業している悪徳業者に引っかからないよう気を付けましょう。
また、両手仲介サブリースについては違法とかよりも、業者側が自分たちの利益しか考えていないところに問題があります。
それらは全て売主にとって良い業者とは言えないので、そういった業者は利用しない方が良いです。
一番下の「仲介手数料がめちゃくちゃ高い」に関しては、仲介手数料の上限はあるので、特別に高い手数料の請求は違法です。⇒取られ過ぎてるかも?!「不動産仲介手数料」の相場とは?

そして、違法ではないけれど利用者が不満に思いがちな点があります。
そこには不動産業者ならではのカラクリがありました。

不動産業者からの売却活動について報告が少なかった
営業マン/担当者が経験・知識不足だった
内見に来てくれる人が少なかった

などがあります。しかし、これらは非常に少数意見です。
「挙げるとしたら・・」くらいの気持ちでしょう。
また、不動産業者に対する不満は、不動産業者ならではの理由があるのです。
まず報告の少なさに関しては、不動産業者が陥りやすいミステイクを垣間見ることが出来ます。
以下の3点に営業マンのミスの特性が表れていますので、そういった点も考慮してみていくと良いと思います。

営業マンは報告することが面倒だと思っている
一つの不動産に十分な時間を取れていない
契約したらあとは雑になってしまう

最後の項目は、あってはならないことですが、そういった意識の低い営業マンもいるということは頭に入れておきましょう。
営業マンも時間は限られています。特に中小の不動産会社の営業マンは一つの物件に対して向き合える時間が限られていますので、対応を見極めて良い業者にお願いしたいところですね。
上記の特徴を知った上で、対応が丁寧な担当者やしっかり考えてくれる営業マンかどうかを見極めていきましょう。(⇒不動産査定で「良い業者」を見極めるポイントは?

5.まとめ

不動産業者免許番号や行政処分歴を確認するときは、以下の点に注意しましょう。

宅地建物取引業の免許は()内の番号だけで判断しない

行政処分には内容によって処分内容に違いがある

行政処分は自分で確認できるので、気になる場合は確認する

不動産業者に不満があったら媒介契約を見直しましょう

上述もしましたが、宅地建物取引業の免許や、行政処分を「されたことがある」というだけで不動産業者を判断しない方が良いです。もちろん参考にする分には構いませんが、必ず自分の目で見極めましょう。

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