「不動産査定書」って何?入手方法や注意点を徹底解説

不動産を売却するときには、「不動産査定書」という言葉を耳にするかもしれません。不動産査定書は2種類あり、それぞれ入手方法や注意点が異なります。その点を理解した上で、不動産の売却に臨みましょう。

1.不動産査定書とは?

不動産査定書とは、読んで字のごとく、不動産の査定額を明示した書面になります。不動産査定書の種類は2種類あり、1つは不動産業者から作成される書面で、もう1つは不動産鑑定士が作成する書面です。不動産業者が作成する書面は、無料ですることができます。一方、不動産鑑定士が作成する書面は有料になっています。

1-1不動産業者が作成する不動産査定書

不動産業者が作成する不動産査定書とは、不動産査定を通常の不動産会社に依頼した際に提出する書面のことです。査定依頼すること自体は無料なので、不動産査定書も無料で入手することができます。

ただ、不動産業者の作成する不動産査定書はフォーマットや形式の指定がないため、言い換えると「自由」に不動産業者が作成することができる書面になります。そのため、不動産業者が持っているノウハウや事例などが反映されているため、不動産業者によって内容が異なってくる書類です。

また、不動産業者の作成する不動産査定書は3か月以内の売却が前提で作成されているので、3か月が経過すると査定額が変わる可能性があります。

1-2不動産鑑定士が作成する不動産査定書

一方、不動産鑑定士が作成する不動産査定書は15万~30万円の作成費がかかります。不動産鑑定士に依頼するので、「不動産鑑定書」といわれることもあります。不動産鑑定士は不動産を鑑定するプロであり、不動産業者は不動産を仲介(売却)するプロです。

そのため、不動産の査定額に対しての対外的な信用度は、不動産鑑定士が作成する不動産査定書の方が高いです。不動産鑑定士は不動産を鑑定できる唯一の国家資格です。そのため、国が定めている不動産鑑定評価基準に基に、不動産の評価を行うというワケです

端的にいうと、不動産業者の作成する不動産査定書は不動産会社の「意見書」のような意味合いで、不動産鑑定士の作成する不動産査定書は、不動産鑑定士が体系的な知識から作成した「客観的な不動産評価額」になります。

詳細はこちらでも⇒不動産業者の査定と不動産鑑定士の鑑定評価の違い

2.それぞれの用途

では、不動産査定書はそれぞれどのような用途で使われるでしょうか。結論からいうと、一般的な不動産取引の場合には不動産鑑定士が作成する書面は不要で、無料で作成依頼ができる不動産業者からの書面で問題ありません。

2-1不動産業者が作成する書面

不動産業者が作成する書面は、そもそも「不動産査定書」と厳密に呼ぶことはあまりありません。そもそも、不動産業者に査定依頼すると、1~2営業日ほどで提出される書面になるので、非常に簡易的な書面になります。

また、実際に不動産を売却するときは、結局周辺で売却されている競合物件や、売主の意思によって売却金額は変わってきます。そのため、不動産業者の作成する不動産査定書は、あくまで参考程度の書面になります。

ただ、先ほどもいったように、一般的な不動産取引においては、このような書面で十分です。一般的な不動産取引は、査定依頼をして「売却目安価格」が知りたいワケであり、対外的に説得力のある金額を知りたいワケではないからです。

2-2不動産鑑定士が作成する書面

一方、不動産鑑定士が作成する書面は、対外的な信頼度が高いので、以下のようなケースで作成されます。

法人が不動産売買したケース

相続の際の遺産分割協議

離婚による財産分与

たとえば、法人が不動産売買をしたケースです。仮に、法人同士での不動産取引の場合には、利害関係的に適切な価格でない不動産取引が行われるケースがあります。「現金で支払いができないので、所有している不動産を安く売却する」などのケースです。

しかし、そのような場合には、不動産売却によって得た利益は少額になり、税金も安くなるということです。そのため、税務署から「客観的に不動産価値を評価した書面」が求められるケースがあり、そのときに作成するのは不動産鑑定士が作成した査定書類になるというワケです。

また、相続の際の遺産分割協議時にも、不動産鑑定士に不動産査定書の作成を依頼することがあります。遺産分割をするときには、相続人が複数人いる場合もあります。仮に、現金と不動産の2つの財産があったときに、相続人Aは現金で相続人Bが不動産という別の種類の財産を相続することがあります。

その際、相続人A、Bが公平に相続できるように、不動産の価値をきちんと査定する必要があるということです。そのときには、不動産業者の査定書ではなく、不動産鑑定士が作成した信頼度の高い査定書を利用することになります。

つまり、不動産鑑定士が作成する不動産査定書は、自ら進んで作成依頼するというよりは、税務署などの第三者から依頼されて作成するという流れが多いということです。

2-3不動産査定書のサンプル

不動産業者が作成する一般的な「査定書」は公益財団法人不動産流通推進センターのマニュアルに基づいて作成されています。これが不動産会社が発行している価格査定の目安となります。利用する場合はダウンロードして参考にしてみてください。

不動産査定書のマニュアルダウンロード

3.まとめ

このように、不動産査定書には2種類あり、一般的には不動産業者の作成する不動産査定書で問題ありません。対外的な「証明」として必要な場合のみ、不動産鑑定士が作成する査定書が必要になります。

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