分譲マンションの「協力金」って何なの?募金なの?

分譲マンションの「協力金」、知ってますか?

これを巡ってちょっと盛り上がっていたので、改めておさらいしておきたいと思います。

分譲マンションの利点としては、主に下記の点を挙げる人が多いのではないでしょうか。

・設備のグレードが高い
・セキュリティ対策がされており、安心して生活できる
・防音対策が整っている
・長い期間住むこと前提の購入のため、生活基盤がしっかりしてくる

賃貸より持ち家派の人たちにとっては、分譲マンションはとてもお得に住むことが出来ている気がして理想の生活を送れている気持ちなのではないでしょうか。

しかし、分譲マンションにおけるトラブルの主な原因は「マンション管理組合」という組織によるものです。また、月々にかかる費用なども考慮しなくてはいけません。

分譲マンションの基礎の基礎からおさらいしていきましょう。

◆マンション管理組合とは

一戸建ては土地も建物も所有者の物ですが、分譲マンションの場合土地は専有部分の所有権を有する「区分所有者」となるため、オーナーは言わばみんな、マンションはみんなのものという考え方になります。そのため、建物や敷地の管理を行うため「マンション管理組合」という組織をつくり自分たちで管理していかなくてはなりません。マンションを購入すると、この組織に必ず入らなければならず、みんなでマンションの管理を行っていく方針となっています。

◆協力金とは

「協力金」というと、混合されがちなのが「住民活動協力金」と「建設協力金」です。協力金の前になんとつくかによって、全く異なる意味になります。それぞれ紹介していきます。

◇住民活動協力金

マンション管理組合がしっかり管理していかなくてはならないということを紹介しました。

しかし、中には賃貸マンションとして貸し出しているところも多いでしょう。そしてその中でも家が遠方で長期間空けている、貸しているなどで管理組合としての活動をしていないと、家賃収入という利益だけを得ている!という苦情に繋がるケースがあるのです。持ち主としては致し方ない事情があったとしても、管理組合員としての活動を怠っていることに変わりはありません。

その場合、「不在組合員に対する協力金」という住民活動協力金を徴収します。月々1000~3000円ほどです。月の増加はさほどないように感じますが、年単位で見ると決して安い金額ではありません。この「協力金」を巡って過去裁判になった例を紹介します。

1970年頃に分譲された868戸のマンションが舞台になります。分譲貸しの部屋が2004年には170戸に上り、総会に出席せずに管理を人任せにする大家が続出したことから、管理組合は「分譲貸し」をしている不在所有者から通常の管理組合費1万7500円に加えて2500円の協力金を取ることを提案しました。これに対して不在所有者側は反対し裁判になりました。その結果、一審、二審から逆転し最高裁で「管理組合の業務や費用は本来平等に負担すべきであり、金銭的負担でその不公平感を更正するのは合理的である」として協力金を認めました。

◇建設協力金方式

この「建設協力金方式」とは、リースバックの事です。流れとしては、主に土地所有者とテナントを結ぶ「事業パートナー」を介して行われます。下記のような番号に沿って行われます。

①土地活用依頼
②出店希望(依頼)
③テナント企業紹介
④土地紹介
⑤工事請負契約
⑥建設協力金
⑦一括借上契約
⑧賃料

建設協力金は、建物を造るための建築資金として使われるため、建物が完成するとテナント企業が一括して借上げるため、建設協力金は保証金となり、毎月の家賃としてテナント企業に返還される仕組みです。

土地所有者は土地を保有したまま土地の有効活用ができ、テナント企業は希望する物件の建設が可能になるというメリットがあります。

それぞれのメリット・デメリットをおさらいしておきましょう。

【土地所有者のメリット・デメリット】

メリット
・テナントを募集する必要がない
・保証金に金利がかからない
・中途解約されると、保証金の返済義務がなくなる
・相続税の節税対策になる

デメリット
・テナントが倒産すると、処理が複雑
・テナントが撤退すると、残された建物と保証金の処理が複雑
・賃貸料が低くてもわかりにくい

【テナント企業側のメリット・デメリット】

メリット
・市場に出回らないような条件でも、希望の建築物を造れる
・長期に渡って使用できる

デメリット
・建築資金が必要
・契約期間の途中で事業を辞める場合、保証金が戻ってこないなどの特約がある
・負担が多い

不動産の買戻しとリースバックとは?

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