新常識!いらない土地は国や自治体に売却・寄付できるって本当なの?

いま日本では、空き家が価値のない土地が増え続けていることが社会問題になっています。

「土地を売りたい!手放したい!」と思っても買い手がいなければ売ることはできません。また、タダであげても貰い手がいなければどうすることもできません。不動産屋を介しても、立地や状態の悪い土地は貰い手がいないことも珍しくありません。かといって、簡単に手放すことができないのも事実…

本当に困ったら、どうしたら良いのでしょうか?

まず、土地を買ってくれる相手は個人や法人だけではありません。様々な理由で国に売却できるケースがあります。

このページでは、土地が売れずに悩んでいる人が、国や地方自治体に売却できるケースについて紹介していきます。

あなたの土地は、本当にどうしようもない土地なのでしょうか?この記事を読んで最終確認してみてください。

◆市区町村が土地の寄付を受け入れるケースとは?

タダでもいらない土地で都市部に多いのが「不適合接道」と呼ばれる再建築が出来ない土地は、売却しても解体費用にもままならないことも珍しくありません。どんなにいらない土地でも、所有していれば固定資産税は毎年支払わなくてはならず、さらにメンテナンス費用等もかかります。

では、有効活用もできない、他人に貸すこともできない、売却もできない「3大ない」の負動産やいらない土地は、市区町村などに寄付することは出来るのでしょうか?

結論から先にいうと、「NO」でしょう。
仮に、防災広場や地域の公園などに活用できる土地であれば市区町村が引き取ってくれることもあります。利用価値のない寄付は受け付けられることはなく、市区町村側も寄付を受け入れる義務はありません。

市区町村が土地の寄付を受けると、固定資産税がや都市計画税の税収がなくなるだけでなく、土地の管理もしなくてはなりません。そうなると人件費や管理費用もかかり、言ってみれば「血税が投入される」ことになります。
地域に貢献する、開発を抑制する、文化遺産として保護されるような価値のある広大な土地でなければ、あまり意味はありません。

また、国を相手に売却となれば、基本的に国からの提案での売買となり、こちらの好きなタイミングでの売却は厳しく、事例も少ないです。

どのような場合に国を相手に土地を売却できるのか、ケース別にご紹介していきます。

①道路・鉄道整備のための区画内の土地を買い取るケース

道路・鉄道などを新しく建設する際、整備予定の場所が誰かの所有地だった場合、国が買い取らなくてはなりません。

道路・鉄道などの交通網は数十年先にまで影響を及ぼします。国としてはなんとしてでも買い上げなくてはなりません。

こういったことから、土地の所有者側が有利に売買を進めるために高額買取を提示されることも多いです。

②公共施設を建設するため敷地を買い取るケース

国が運営する施設として、学校・公園・図書館・病院などがありますが、これらを建設する際に必要な土地も買い取ってもらうことができます。

道路・鉄道と同様に公共施設なので、売却金額も高めに提示される場合が多いでしょう。

また、公共事業をいつ建設予定などは一般の人には知らされず、完全にタイミングとなってしまいます。

◇土地の寄付の制度化している地域例

それ以外にも例外はあります。

地域によっては、寄付や無償譲渡に関する取り決めがあり、すでに制度化している地域も。

一例をご紹介します。

【長崎県長崎市】

「老朽危険空き家対策事業」として、対象となる地域内の土地や建物を市に寄付または無償譲渡すると、市が代わりに解体してくれる制度があります。これは地域の防災・防犯のために公共空間を確保するという目的があります。ただし、これは土地の日常的な維持管理を地域の住民が行うことが前提になっています。

【東京都荒川区】

「不燃化特化」に指定された地区を対象に、老朽化が進んだ危険と判断された住宅は区に寄付してもらい、区が解体工事を実施する制度があります。これは災害が起こったときなどに備えた街づくりを促進することを目的としています。ただし、この場合でも寄付の対象となるのは建物のみで、土地の権利は所有者に残っています。土地は区が無償で借り、防犯対策などに活用します。

他にも土地の寄付を制度化している市区町村はあるかもしれません。いずれにしても、ハードルは高く、単にいらなくなっただけでは引き取ってくれないのが現状です。
市区町村だけでなく、国への寄付もほとんど出来ないと思っていていいでしょう。何らかの行政目的で使える土地であれば各省庁に寄付を依頼するのも検討しても良いかもしれませんが、そうでない場合、土地の寄付は原則としてあまり受け付けてもらえないことが多いです。

◇自治体に寄付する流れ

あまり望みは薄いけれど、どうしても決行したいという場合の自治体に寄付する流れを紹介します。

1.担当の窓口に相談する
2.自治体による調査
3.可能と判断された場合は書類を提出
4.寄付完了

上記でも紹介しましたが、自治体が使用価値があると判断しなければ寄付することはできません。使用しない土地にかかるコストを無駄と考えているのは、自治体も所有者も同じ。

申請してみないことにはわかりません。一度申請をしてみても良いかもしれませんね。
もちろん、寄付なのでお金を受け取ることは出来ません。

固定資産税など税金がかかることを考えると、長い目でみればプラスかもしれませんが、単純に土地を手放すのです。

安くても良いから売却したいという場合はやはり不動産会社に買い手探しを依頼しましょう。

◆いらない土地の所有権放棄はできないの?

ここまでで、寄付にはあまり期待できないことがわかりました。そこで、寄付できないのなら、所有権を放棄すればいいのでは?と思うかもしれませんが、それも現実的ではありません。
相続するタイミングで「相続人全員」が相続放棄すればいらない土地の所有権を手放すことはできますが、それだけではなく他の相続財産すべてを放棄しなくてはなりません。
また、相続放棄によって固定資産税などは免除されますが、土地の管理義務などは残ります。そのためかなりの費用がかかったとしても裁判所へ「相続財産管理人の選任」を申し立て、管理責任を引き継いでもらう必要があります。

民法第940条
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。

こういった旨が民放で定められていますが、それが認められる状態はかなり限定的です。
相続放棄以外の場面で土地の所有権を放棄する手続きの規定もなく、寄付もできない、所有権も放棄できない、と八方ふさがりの状態だといえるでしょう。

詳しくはこちら⇒不動産は捨てられるの?いらない負動産を捨てる3つの方法

◆まとめ│国や自治体に寄付・売却できるケースは稀、売却が賢いやり方

いかがでしたか?

国や自治体に寄付・売却できるケースは下記のように極めて稀だということがわかりました。

・道路・鉄道整備のための区画内の土地を買い取るケース
・公共施設を建設するため敷地を買い取るケース

住んでいる地域の制度なども調べ、寄付や売却は厳しいと判断したのであれば、やはり不動産会社に売却してもらうのが賢明でしょう。

タダでもいらない土地が増えるといわれています。

早めの売却で負動産を手放しましょう!

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