空室率は不動産売却額に影響するの?

不動産を投資として考えた場合、誰もが気になるのが空室率。インカムゲインとして考えた場合はもちろんのこと、不動産売却のキャピタルゲインにも直接的にかかわってきます。空室率が高い物件、ほとんどの部屋が埋まっている物件であれば、どちらの方が価値が高いか、一目瞭然ですね。
ここでは空室率が実際どれくらい物件の価値に影響してくるのか、不動産投資の観点から考えていきたいと思います。

1.購入者目線で、空室率が「低い」理由を考える

あなたは「空室率が低い」と言われた場合に、どんなことを思い浮かべますか?不動産を継続収入源として考えている方は、「毎月の家賃収入が多く入る」と考えると思います。また、入居者の目線で考えた場合には、「なかなか人が出ていかない人気の物件」ととらえます。

それでは、不動産売却を主軸としたキャピタルゲインを考えた場合にはどうでしょうか?安く買って高く売るという原則から考えるならば、「物件自体の価値」に焦点をあてて、購入者の視点が必要です。購入者としては、「毎月の家賃収入が多く入り、しかも人が出ていかないほど充実した物件」であれば、最初に高いお金を出してもいずれペイするという期待感が膨らみます。

実際に、空室率は収益計算の計算式に用いられるくらい重要な値です。不動産売却額もそれにともなって高くなるため、影響は大きいと言わざるを得ないでしょう。

 

空室率は収益のバロメータだが、意外と信用度は低い

上記の理由から、インカムゲイン狙いでもキャピタルゲイン狙いでも、一般的には空室率は低い方が良いとされています。ただ、空室率や入居稼働率は計算方法によって変わってくるので、実際の売却額は経営実績で見られることも増えています。もちろん売却額に直結する項目であるのは間違いありませんが、中には予想に反するような事例もあるため、いくつかご紹介したいと思います。

ここで紹介するのは、「空室率が低いのに高額になりにくい物件」、「空室率が高いのに高額売却が期待できる物件」です。

 

2.リフォームが必要など、経費発生が見るからに明らか

不動産購入をするのに、不動産仲介業者に任せっぱなしで、立地・外装・内装を確認しない方もいらっしゃるようですが、それはまれな話です。多額の費用が掛かることが誰の目に見ても明らかなら、いくら空室率が低くても、高額売却は期待できなくなるでしょう。特にここ数年はインターネットで情報を仕入れてくる投資家さんがほとんどです。

売却時に購入者から、リフォームや修繕を請求され、それを全額売却側負担としてしまった場合、元を取れないという事態になることさえありますので、売るタイミングは今で良いのか?修繕を行ってから売却すべきか?修繕費用は売却側持ちとするのか?など、考え直した方が得をするケースもあります。

 

3.地域性の恩恵を受けているだけのケース

空室率は地域による格差が明らかにあります。例えば、東京都や沖縄であれば、それだけで全体の空室率は低く、物件全体の価値が高いように見えます。逆に福井県は空室率が高く、不動産投資をするには向かないように見えますね。

しかし、この傾向を鵜のみにして、東京だから大丈夫、沖縄だから大丈夫とするのは、危険です。これは売却時だけでなく、購入時にも言えることで、不動産投資をする場合には、必ず地域性を考慮する必要があります。それというのも実は地域による空室率以上に、物件ごとの空室率の差の方が大きいからです。つまり、いくら人気の土地であるからと言って、その物件が必ずしも高く売れるとは限らず、売買差益が本当に見込めるのかは必ず確認する必要があります。

不動産仲介業者の中には、「東京都内だし空室率も低いから」といううたい文句で不動産購入を勧める人がいるようですが、甘い言葉に惑わされず、しっかりと物件の調査と売却額の査定を行っておいた方が、後々のトラブルを避けることができます。

 

4.「現在の空室率」から上昇する見込みがある

今までの2つと異なり、こちらは予想外に高くなる可能性がある物件です。

不動産は一般的に、年間の家賃収入/表面利回りでキャピタルゲインを算出し、査定金額を求めます。しかしこの表面利回り以外にも、空室率を左右する用件があります。例えば2020年には東京オリンピックがあり、政府は将来的に移民政策を行うという予想が建てられています。そうなると、今までは重要視されていなかった「日本人には人気がなくても、海外の人にとっては住んでみたい・住みやすい住宅」の人気が高くなる可能性があります。また、これから介護される人口が増えるために、サービス付き高齢者住宅のような集合住宅型の物件の相場が高くなると予測する方もいます。

これらの条件は、現在の空室率とは無関係に、将来の空室率に影響します。ファンダメンタルな解析や、今後の政策などにもアンテナを張っていた方が、空室率・入居率などの数字に惑わされずに、利益を増やしやすいですね。北海道や九州であれば、新幹線の延伸にどれくらいの期間がかかるのか?などのインフラ情報も、不動産投資には重要です。

 

まとめ

ここまで述べてきたように、空室率は不動産の価値を示す1つのバロメータではありますが、それがすべてではありません。結局空室率と売却額をイコールで考えること自体が、リスクであるということをここで述べさせていただきました。

不動産は数十年単位で存続する、長期型の投資です。目先の情報だけでなく、数年から場合によっては10年以上先を見すえ、「将来的な空室率」まで予測できれば、より高額の売却価格を手にすることができます。

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