自殺や殺人事件などの事故物件、「心理的瑕疵」の範囲詳細

はじめに

世の中には様々な事故物件があります。事故・自殺・殺人事件・放火など・・・
不動産の売却においても、この事故物件の扱いについて様々です。
自分の物件で起きたものなのか?それとも同じマンション内で起きたものなのか?
それとも、近所で起きたものなのか?などによってもある程度変化するものですし、
永遠に心理的瑕疵が続くのかといったところも疑問です。
結局は「買主の判断」となってしまうのですが、法的にはどの範囲まで「心理的瑕疵」が及ぶのかを見ていきたいと思います。

「心理的瑕疵」とは

まず瑕疵とは、欠陥のことを言います。不動産を売る際は「瑕疵担保責任」というものが深く関わってきます。(⇒瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは?
簡単にいうと、物件を売買したあとでも売主には責任があって、物件に欠陥が見つかった場合は責任を取らなければならないというものです。
例えば雨漏りや水道管の破裂など、使ってみないとわからないけど明らかに生活に支障をきたすもの。
それらがはじめからわかっているものだったら、買主に承諾を得なければなりません。
これが見えて実害のある欠陥(=瑕疵)です。

◇例えばどんなもの?

では、精神的にイヤなものや目にみえない幽霊などは何かというと、これが「心理的瑕疵」です。
過去に事故や自殺があったような事故物件は、心理的瑕疵として相手に伝えなければなりません。(⇒「心理的瑕疵あり」は事故物件などが関係している!売却時の告知義務について
心理的瑕疵とされているものは事故物件だけではなく、環境面にまで及びます。

自殺・殺人があった
事件や事故による死亡があった
事件・火災があった
嫌悪施設(嫌われている施設)が周辺にある
指定暴力団等の事務所がある

しかし、上記で挙げたこれらは「心理的瑕疵」のほんの一部です。
伝える必要がないと思っていたことでも、それを知った買い手側が後で耳にしたことによって、トラブルになるケースも・・
それが契約前であればまだマシですが、契約後のゴタゴタは一番面倒です。

そう、「心理的瑕疵」は取る人によって変わるのです。
極端な話、事故物件マニアであれば事故物件は良い案件、しかし普通であればイヤな物件です。
その境目が曖昧なほど、トラブルの元となってしまう恐れがあるので気を付けたいところです。
例えば、子供嫌いな老夫婦が通学路とは知らずに物件を買ってしまって後のトラブルになってしまったり、噂好きな人がいろんな出来事を誇張して話したことによって、「騙された!」と感じるケースも・・・
いずれにしても、物件を買ったときにナイーブになる人は少なからずいます。

そこで、これから紹介するのはどの程度告知しなければならないか?についてです。
売主にとっては告知義務がない場合もありますし、買主にとっては売主から告知されなかったとしても注意しなければなりません、ということになります。

◇事故であれば場所の範囲は?

例えば事故があった物件、その事件が起きた場所によって告知義務は変わるものなのでしょうか?
A~Dの中で告知義務のないものはあると思いますか?

A.マンション・一戸建ての「建物内」
B.マンション・一戸建ての「室内(専有部)」
C.マンション・一戸建ての「共有部」
D.一戸建ての庭など「敷地内」

実は、すべて売主に告知義務があります。
基本的に同じマンション内であれば売主は買主に告知しなければなりません。
ただし、マンション自体が大きく1000世帯を超えるような場合や同じマンションでも別の棟であったり離れていたりする場合では異なります。
告知するかしないかは、最終的に不動産会社と相談して決めることになるかと思います。
基本的には問題があったときの売主だけなので、事件時から売主が変わったり、直接的な関係がないと判断できる場合は告知しなくても良いかもしれません。
しかし、後のトラブル防止のためにも告知しておくのが最善策なことには変わりないでしょう。

◇どんな尺度で決めればいいの?

例えば「事件」があったとしても、どういった観点から判断すればよいのかわからないという場合は、下記の測り方をしてみてください。

Q1.時間的要因はどうか?
Q2.場所的要因はどうか?
Q3.現在の状況はどうか?
Q4.地域性や噂はどうか?

例え30年前・50年前の事件だったとしても、現在も人々の心に深く残っているほどのものでしたら、告知したほうが良いでしょう。
実際、告知せずに売主に瑕疵担保責任が判決された事例もあります。
自己判断ではなく、こういった視点からみてどの程度だと判断されるかを考えてみましょう。

買主はもちろん、売主も事故物件はチェックしておこう

売主にとっては、事件当時の売主から人が変わっていたら、告知義務はなくなります。
しかし、周囲の噂などでそれが発覚したらトラブルになりかねません。
また買主にとっては、売主が「いう必要のないこと」とだんまりの場合もあるため、知らずに買ってしまうかもしれません。
ですので、買主にとってはもちろん、売主も買主がイヤな思いをしないように周囲で何か事件や事故がなかったか知る必要があるでしょう。

そこで参考になるのは次のサイトかと思います。
大島てる」という名前を聞いただけでわかる方もいらっしゃるかもしれませんが、このサイトには事故物件が多く登録されています。
事件や事故があったところには、地図上で炎のマークがつきます。
そのマークをさらに詳しくみることもできますし、どの地域に炎マークが多いかなどを見ることもできます。

詳しい住所がわかるものもあれば、書かれていないものもあります。
物件次第になってきますが、少なくとも事件が起こった日付や内容は書かれていることが多いので、ぜひ参考にしてみてください。
売主の方は自分の物件が「何も心配ない」と確信を得ることが出来るかもしれませんよ。

まとめ|売主は隠していても損しかない!

瑕疵担保責任、心理的瑕疵などをある程度ご理解いただけたでしょうか?
不動産の売却自体が、買主優先のものになっています。
売主は小細工をしたり黙っていたり隠していても、損しかありません。
後々発覚することが実は一番面倒です。
ですので、すべてオープンにした状態で取引するのが良いかと思います。
法律的な範囲というものは書面だけで、実際は買主が嫌悪感を抱いたら責任問題が勃発してしまいます。
売主にとって不利な「瑕疵担保責任」だからこそ、契約前に口頭・書面両面での説明、それの承諾など、出来る限りのことは準備しておきましょう。
また、売却する際は信用できる不動産仲介業者にお願いして、物件についての相談などが出来る人を味方につけておきましょう。

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