意外と知られていないマンション売却時に「返還」される費用3選

マンションを売却するときには、売却金額や諸費用など「支出」にばかり目がいきがちです。もちろん、査定額や諸費用額などの「支出」を把握するのは重要なことです。
しかし、支出と一緒に、返還される金額、もしくは返還する金額についても理解しておく必要があります。
全てのキャッシュフローを知っておくことが、良いマンションの売却につながるのです。
 

1.固定資産税の清算

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まず、返還される金額として大きいのが、固定資産税の清算分です。簡単にいうと、売主が一括で支払っている固定資産税を、買主に対して「居住した期間」に応じて請求するということです。

1-1固定資産税とは

固定資産税とは、その年の11日に不動産を所有している人にかかってくる税金です。土地も家も工場も、全ての不動産に対して「持っている」だけでかかってきます。固定資産税評価額は、実際の取引額や公示地価の価格、路線価など、色々な要素によって算出されます。

1-2固定資産税の清算とは?

たとえば、201511日にAさんがマンションを所有していたとします。そして、Aさんはマンションを売りに出し、Cさんにマンションを売却したとします。そのマンションを実際に引渡(所有権が移転した)したのは、201571日です。

しかし、201511日時点ではAさんが所有していたので、2015年の1年分の固定資産税16万円は、Aさんに請求がいきAさんが支払う義務を負います。ただ、2015年のうちの半年分は、Cさんに所有権があるのです。

このときに、固定資産税は所有期間に応じて清算されます。今回のケースでいうと、2015年の1年間の半分はCさんが所有しています。つまり、固定資産税8万円(年間16万円の半分)は、CさんがAさんに固定資産税の清算分として支払う必要があるのです。

この金額は、引渡時に諸費用として支払われる金額になります。固定資産税の清算分については、不動産会社によっては清算しない会社もあるので、売主は注意しましょう。場合によっては十万円単位の大きな金額になります。

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2.保証料

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つづいて、保証料についてです。保証料が返還されるかは人によります。まず、住宅ローンを組んでいる人のみが該当し、かつ住宅ローンを組む際に保証料を支払っている人は返還されます。

2-1保証料とは?

そもそも、保証料とは保証人の代わりをしてくれる保証会社に支払う費用になります。金融機関から住宅ローンの融資を受けるときは、金融機関が保証会社を立てます。仮に、借入者が住宅ローンの返済ができなくなったときに、保証会社が借入者に代わって残債を支払うのです。

当然、保証会社も借金の肩代わりをするというリスクを負うので、そのリスクを負わせる代償として、借入者が保証料を保証会社に支払うのです。ただし、保証料は金融機関によって異なります。「一律で30万円」という金融機関もあれば、「100万円ごとの借入につき2万円」などの金融機関もあります。最近では、「保証料0(金融機関が負担する)円」という金融機関もあるほどです。

2-2保証料の返還金額

保証料を保証会社に支払うのは、あくまで住宅ローンを借り入れた全ての期間を保証する前提です。たとえば、マンションを購入するときにA銀行で住宅ローンを組んだとします。そのときに、借入期間30年で保証料を60万円支払っていたとします。

その保証料60万円は、住宅ローンを支払う期間である「30年間保証する」という前提で支払っています。そのため、仮に借入期間15年の時点でマンションを売却すれば、残りの15年の期間は保証会社が保証する必要がないのです。つまり、単純計算をすると、支払っている60万円の半分である30万円は返還される金額になります。

 

しかし、そもそも一括で住宅ローンを返済すると手数料が取られるので、30万円全て返還されるかは金融機関によります。そもそも返還されるのか、返還されるとしたらいくら返還されるのかについては、金融機関にヒアリングしましょう。

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3.手付金

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さいごに手付金に関してです。手付金は「返還する可能性のあるお金」であり、キャッシュフロー上、最も混乱しがちなお金なので整理しておきましょう。そもそも手付金とは「預り金」です。そのため、貰いすぎた場合には返還する必要があるのです。

たとえば、「物件価格の全ての金額を住宅ローンで組む」場合などが、手付金を返還するときに該当します。仮に、3,500万円の物件を売却していて、買主が3,500万円全て住宅ローンを組んで購入するとします。ただ、契約前に手付金を支払わなければいけないので、手付金の200万円を買主が売主に支払っていたものとします。

しかし、引渡日当日には売主の口座に、住宅ローンを組んだ3,500万円のお金が振り込まれるのです。つまり、手付金の200万円は余剰金になるので、買主に返還する必要があるということです。

このように、少々複雑なキャッシュフローになるので、引渡日当日に混乱しないように整理しておきましょう。

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4.まとめ

 

このように、マンション売却時には返還される金額があるのです。この金額について、不動産会社はあまり触れません。しかし、返還される金額も加味した方が、自分の資金計画は正確になります。上述した3点のお金は、事前に確認してキャッシュフローを理解しておきましょう。

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