タワーマンションは節税になる!?大きなメリットと思わぬ落とし穴

タワーマンション節税という言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単にいうと、タワーマンションを購入することで、相続税を節税するということです。しかし、今このルールは変革されようとしています。そこで今回は、タワーマンション節税について、今後の動向を含め詳しく解説します。

1.タワーマンション節税とは?

タワーマンション節税とは、上下階の価格差を利用した相続税の節税対策のことを指します。タワーマンション節税の仕組みは、上層階も下層階も「相続税評価額」が同じであるものの、上層階と下層階は「実際の売買金額が異なる」という矛盾を利用しています。

1-1相続税とは?

相続税とは、現金や株、そして不動産などの資産を相続したときに発生する税金です。相続税は以下の式によって計算されます。

 

計算式:相続税評価額-3,000万円-(法定相続人×600万円)×税率-控除額

 

たとえば、現金5,000万円を相続して、法定相続人が2人いるときを考えてみましょう。そのときの計算式は、「5,000万円-3,000万円-(2人×600万円)=800万円」に所定の税率を掛けた後に控除額を差し引いて計算されます※1

1-2相続税評価額とは?

相続税評価額とは、その名の通り相続税を計算するときに、「どのくらいの金額で評価されているか」を表す金額です。なぜ、このような金額があるかというと、不動産などは額面通りの金額ではないからです。たとえば現金であれば、3,000万円の現金を相続すれば、額面通り3,000万円が相続税評価額になります。

 

しかし、不動産の場合には土地は「路線価」という評価額を基に、建物は「固定資産税評価額」を基に算出されます。そして、不動産の評価額は現金で持っているよりも小さい金額で評価されるのです。つまり、現金で持っているよりも不動産で持っていた方が相続税は安くなるということです。

その理由は、国が現金で持っているのではなく、お金を「遣う」ことを推進しているからです。不動産を購入すれば、不動産会社はもちろん、建築業者や仲介業者、広くは地域の商業施設などにも経済がまわります。

1-3タワーマンションの階数のカラクリ

タワーマンションをはじめ、マンションは上層階と下層階で価格が違います。ほぼすべてのマンションが、下層階よりも上層階の方が高額になっています。この理由は「眺望面」「陽当たり面」の要素が大きく、後は「プレミアム感」などもあります。しかし、相続税評価額はマンションを1つ不動産として捉えるので、上層階も下層階も相続税評価額が変わらないのです。

たとえば、40階建てのタワーマンションが売り出されていて、マンション全体の平均坪単価が380万円だったと仮定します。相続税評価額は坪260万円(70㎡で5,505万円)ほどです。このとき、このタワーマンションの価格イメージは以下のようなイメージになります。

2階~5階までの超下層階:平均坪単価220万円(70㎡の部屋で約4,658万円)

・~15階までの下層階  :平均坪単価300万円(70㎡の部屋で約6,352万円)

20階前後の中層階   :平均坪単価380万円(70㎡の部屋で約8,046万円)

・~35階までの上層階  :平均坪単価480万円(70㎡の部屋で約10,164万円)

・最上階までの超上層階 :平均坪単価550万円(70㎡の部屋で約11,646万円)

仮に、5億の現金を持っている人がいたとします。その人がそのまま亡くなってしまえば、額面通り5億円に対して相続税がかかってします。しかし、その5億円から上記のタワーマンション最上階を購入しておけば、約1.2億円のマンションが手に入ります。

しかし、そのマンションの相続税評価額は5,505万円になるのです。つまり、1.2億円の価値があるものなのに、相続税評価額はグンと下がり、相続税が安くなるのです。

一方、このときに10階の物件を買ったときには、約6,300万円のマンションが手に入り、相続税の評価額は5,505万円です。この2つを比べてみると、圧倒的に上層階の部屋を購入した方が節税対策になることが分かると思います。

そもそも不動産を購入することでそもそも節税効果があります。その上で、タワーマンションの上層階を購入し、相続税評価額と実際の価値のカラクリを利用してさらに節税しているのが「タワーマンション節税」です。

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2.タワーマンション評価額の見直し

しかし、前項までのタワーマンション節税は、不自然ではあります。なぜなら、上層階と下層階の実勢価格が異なるのに相続税評価額が一律であったからです。そのため、現在タワーマンションの階数ごとに評価額を見直すことを検討しています。201612月時点では確定していませんが、2017年度税制改正大綱で反映するように動いているようです。改正の概要は以下の通りです。

 

・高さ60メートル超、おおむね20階建て以上の新築のタワーマンションが対象

・1棟全体の税額は変えず、中間の階を起点に上層階は増税し、低層階は減税

・1階ごとに税額を約0・25%変更する基準を設ける予定

 

上記のルールが適用されれば、上層階の方が相続税は上がります。そのため、前項で説明したタワーマンション節税の効果が薄れる、もしくは全くなくなるのです。

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3.まとめ

このように、タワーマンション節税は、現在では大きな節税効果があります。しかし、このルールが見直されれば、今ほどは大きな節税にならない可能性もあります。そのため、高額な資産を持っていて不動産を購入することで節税を考えている人は、タワーマンション節税の動向は注視しておきましょう。

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