不動産がなくなる!?抵当権とは?差し押さえの違いは?

ややこしい抵当権と差し押さえの違い

◆抵当権と差し押さえは同じもの?

抵当権と差し押さえ。どちらも自分の大切な財産を手放すことになるため、重大な問題です。ただ、普段不動産や法律の世界に触れていない人からすれば、どちらも同じようなイメージで捉えているようです。マイホームなど、まとまったお金を借る場合、返済状況によっては債権者と抵当権や差し押さえを巡ってやりとりしなければならないことも出てきます。

抵当権とは何か。差し押さえとはどう違うのか。ややこしい不動産の競売や任意売却も含めてご紹介します。

◆差し押さえとは

範囲が広い差し押さえ

税金で給料を差し押さえされた。

抵当権を差し押さえられて不動産を失った。

日常でもときどき「差し押さえ」という言葉を耳にします。まず、差し押さえは誰がするのでしょうか。それは債権者ではなく、国が行います。裁判所が強化をして相手の財産を差し押さえることを強制執行と呼びます。

借金の返済が滞ると、債権者は最終的に裁判所に訴えて相手の土地や家屋、家財などで本来返済してもらうべき金銭をまかなおうと考えます。

差し押さえの対象

国が差し押さえられる財産には3つの種類があります。不動産、動産、債権です。

相手の土地や建物といった不動産や宝石や家具などの動産を差し押さえ、裁判所は競売に掛けます。そこで売れた金額を債権者が受け取ります。

少しややこしいのは債権です。債務者が他の誰かに対して持っているお金を受け取る権利、これを差し押さえます。代表的なものは、給料や銀行口座です。

給料とは、自分が働いた労働の代わりに給料を受け取る権利がベースとなっています。これを給料債権と呼びます。本来なら債務者が働いた分、自分が受け取る給料の中から債権者に返済をしなければなりません。ですが、返済が滞ると、その給料が国によって差し押さえられて、債権者の返済に充てられます。

銀行口座も同じです。債務者が金融機関に預けているお金を受け取る権利を持っています。それを差し押さえて返済にまわすのです。

差し押さえのバリエーション

裁判によって強制執行が決定すると、いくつかの方法で差し押さえをします。主なものに土地や建物の登記を取り上げる不動産執行、貴金属や有価証券などが対象の動産執行、そして給与債権や預金債権、賃金債権などの債権執行です。

差し押さえの理由にはさまざまなものがあります。債権者が民間の会社や人であれば、借りたお金を返済できなかった場合がイメージしやすいはずです。債権者が国や地方自治体の場合もあります。もっともよく聞く例は、税金の差し押さえです。税金や保険料を支払えない市民に対して、最終的には不動産や家財、給料を差し押さえます。

抵当権とは?

ここで分けて考えておかなければならない用語が抵当権です。抵当権がそのまま差し押さえと同じ意味と思っている人は少なくありません。しかし、債権者が抵当権を持っていてもそのまますぐに抵当権がついている土地や建物を売却できるわけではありません。

そもそも抵当権とは貸し主が借り主の不動産を担保とすることです。マイホームローンで融資をしたお金がもし返済されなくなってしまうと、債権者である金融機関は貸したお金を取り戻すことができなくなります。そうなってもいいように、貸した相手の土地や建物を担保にしてお金を貸しておけば、いざというとき抵当権として担保にしている不動産を売却すればお金を取り戻せます。

◆抵当権を使ってお金を取り戻す方法

抵当権はあっても、勝手に債権者が不動産を売ることはできません。裁判所に訴えて抵当権のついた土地や建物を差し押さえ(強制執行)してもらい、競売に掛けてもらいます。抵当権をもとに差し押さえがされ、その代金の支払いによって債権者はお金を受け取ります。

つまり、抵当権は原因、差し押さえは結果という図式になるのです。

◆国と差し押さえを争う場合

債権者が、抵当権が付いている不動産を差し押さえしてもらいました。しかし、競売に掛けようとしたり、任意売却をしようとすると、国や地方公共団体が税金の差し押さえをしているケースがあります。

債務者が返済が滞るような不動産はたいてい固定資産税など税金も滞納になっているものです。そうなれば、民間の債権者は抵当権を持っていてもお金を取り戻すのは困難になります。

こうしたとき、抵当権をもとに差し押さえを求めることはできないのでしょうか。

実は、国税や地方税に関する法律の中に、もし税金滞納で差し押さえされている不動産でも、抵当権が設定されていればそちらから優先されるという規定があります。

したがって、抵当権を使って裁判所に差し押さえしてもらえば、競売の代金で返済を受けられる可能性は高くなります。

まとめ

抵当権と差し押さえは、同じようなシチュエーションで登場する言葉だけに、混同しがちです。ですが、不動産を担保にしている権利こそ抵当権であり、いざというときその抵当権を使って裁判所に差し押さえをしてもらえるるもの。そう理解しておきましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする