室内での「病死」は事故物件になるの?不動産売却する時に影響は?

物件内で殺人事件や自殺があった場合は、明らかな「事故物件」となり購入希望者には告知しなければなりません。

また、そういったことがあればすぐに遺体は処理されます。しかし、その遺体がずっと発見されず死後数日経ってしまった場合などはどうなるのでしょうか?

自殺や殺人ではない、「病死」による住人の死の場合、売却するときに影響があるのでしょうか?また、次の買い手への告知義務は生じるのでしょうか?

今回は「持ち主が病死した場合の告知義務」について詳しく解説していきます。

◆事故物件に明確な基準がないが、告知しておくのが一般的

事故物件の基準は明確なものがありません。自殺や殺人も含まれる「心理的瑕疵」という単語があるだけで、告知しなくてよい場合などもないのです。心理的瑕疵とは、心理的に嫌悪感を抱く可能性のあるものといった曖昧なものです。

ですが、室内で病死したことに嫌悪感を感じると考えられる場合は告知しなければなりません。

自殺や殺人事件などの事故物件、「心理的瑕疵」の範囲詳細

「心理的瑕疵あり」は事故物件などが関係している!売却時の告知義務について

人はいつか死にます。それはいつ起きるかわかりません。ましては病気になっていて自宅に寝たきりなどになっていたら避けられないことかもしれません。たとえ自然死や病死だとしても、場所によっては嫌悪感に繋がるかもしれません。

基本的に、遺体が家族や友人、管理人によって早期で発見された場合は、事故物件として扱われることはありません。「早期」というのがポイントになってくるのですが、それは遺体の状況によって異なります。

遺体の状態によっては、例え病死や自然死であったとしても告知義務が生じる可能性があります。

◇病死・自然死であっても告知義務が生じる場合

それは、遺体の発見が遅れて腐敗が進んでいた場合です。

腐敗が進行し部屋の床・壁にシミが出来てしまっていたり、部屋全体が臭う状態のときは、特別なクリーニングや場合によってはリフォームまでしなくてはならない可能性もあります。

すぐに「ここで人が死んだ」とわかるような状況のときは、告知義務が生じます。

そして、それは季節なども関係してきます。冬は常に温度が低く、発見が多少遅れてしまっても腐敗までしていない期間であっても、夏場は少し発見が遅れてもすぐに腐敗してしまいます。そのため、どの時期に亡くなったかもある程度関わってきます。

◇死因の究明、遺体跡などは徹底して

「室内での出来事を連想させるもの」は嫌悪感を抱かれます。そのため、遺体の腐敗跡などが残ってしまっている家は売れにくいです。

もし、人が亡くなった過去があることを告げずに売却すると、腐敗跡や近所の噂などからバレてしまったときにクレームやトラブルの原因となるので注意しましょう。

次の入居者のために病気の内容や亡くなってしまった死因などの究明はしておくべきでしょう。場合によって家の建築材料が疑われてしまうかもしれません。近年、マンションの建築素材として化学物質やアスベストといった人体に有害な物質が使われていたことなどもあり、素材は問題視されやすいです。入居者が死亡したという事実だけを告げても、疑問が残ると信用が出来ず貴重な購入希望者を逃してしまうかもしれません。死因はしっかり告げ、相手の不安を解消してあげるようサポートしましょう。

事故物件のマンションを売却したい

◆事故物件の不動産、価格は大幅に下がる?

事故物件として扱われると、大幅な価格減少が予想されます。一体どれくらい値下げされるのでしょうか?

一般的には2割から3割ほどの値下げだといわれています。死因が病死や自然死の場合は、殺人や自殺などに比べて値下げも小さく済むことが多いです。心理的に考えると病死の方が軽いですよね。

また、事故物件だからといって販売価格を下げなければならないという義務ではなく、あくまでも任意です。ほとんどの場合値下げを行った上で売却しています。

◆まとめ|遺体の状態をちゃんと伝えてトラブル回避

いかがでしたか?

物件の室内で病死・自然死が発生した場合、遺体発見時の状況が査定に響くことが多いです。腐敗が進み跡が残っていたりすると事故物件として扱われますが、死後数日での発見で速やかに葬儀がされた場合、軽い説明で終わってしまうことも多いです。

基本的に、遺体の状態も良く早期発見され、すぐに葬儀がされた場合は事故物件として扱われることはありません。

しかし、遺体発見が遅れ腐敗が進行していたり、部屋全体の特殊清掃やリフォームまで必要になる状態で発見された場合は、事故物件となる可能性が高いです。

その場合は、トラブルとなるのを避けるためありのままを説明しましょう。そして、出来ればその時の状況や死因なども伝えておく方が良いかと思います。まずは「殺人とか自殺ではない」と安心してもらうことを優先させましょう。

結果的に事故物件として扱われることになっても、買主に安心してもらえますし、殺人や自殺などに比べて値下げも小さく済みます。買い手によっては気にせず購入する方もいらっしゃいます。事故物件手前の不動産は、「誠実さ」がキーワードです。包み隠さず伝えましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする