ビー玉が転がる家、売却のときに不利にならない?

「あなたの家は床が傾いています」

といわれたら驚きますよね。しかし、実は床の傾きは非常に身近な問題なんです。

床の傾きは、同じ家に長く住み続けているとズレが大きくなってしまうこともあります。
また、人体の健康にも影響を及ぼすといわれているので、気を付けなくてはなりません。

今回は、そういった「床の傾いた家を売却するにはどうしたら良いのか」を紹介していきます。

原因や予防策にも触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

◆床の傾きの主な原因とは?

床が傾いている原因といわれると、「建設の段階で欠陥があったのか?」や「床材に問題があるのでは?」と想像される方も多いでしょう。

しかし実は、床の傾きは”地形”にあるのです。

床が傾きやすい地形とは、水害に強くない土地として知られる「盛り土」の土地に建てられた物件などです。盛り土は、山を切り崩して作った造成地の中でも、斜面に土砂を盛り人工的に地面を平坦にしている土地です。つまり、地盤の弱い場所に立てられた家は要注意です。

また、地盤が弱い土地でも、杭(くい)工事をすることで物件の地盤を補強すれば、床の傾きの予防になります。他には”柱状改良”といい、土の中のコンクリート柱で建物の重さを支える工事などを施す手段も有効です。

では、やみくもに工事が必要かといえば、そういうわけではありません。どのような工事が必要かを判断するには、地盤調査が有効で、コストはトータル100万円以上かかります。

これから家を建設予定の人にとっては、ここは節約しない方が良い予算でしょう。中古住宅を購入する前には専門科にインスペクションを依頼し、床の傾きがないことを事前に確認すると良いでしょう。プロを使わなくても、液状化現象の起こりやすい土地を調べたり、ハザードマップを確認するなど、出来ることはたくんさんあります。実際に地震が起きてから初めて分かることも多いですが、ある程度の地盤調査は可能です。

一方、すでに建てられていて、「家の傾きが気になる…、売却したいから余計な費用は掛けたくない」という方にとっては、安易に決めない方が良いでしょう。

◆床の傾き3段階の許容範囲

床の傾きは程度によって大きく3段階に分けられます。一般的に、傾きの程度は国土交通省が定める基準である「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって区分され、健康被害の目安にもなります。

傾き 健康被害
3/1000未満 自覚症状なし
3/1000以上~6/1000未満 自覚症状なしの場合もあるが、中には傾斜を感じる人も
6/1000以上 めまい・頭痛・ふらつき・睡眠障害など生活に支障をきたす恐れがある

このように、傾きが6/1000を超えると健康被害などの自覚症状が出てくるといわれています。6/1000とは、3メートル間で約2センチ傾いていることになります。そう考えると、傾きが非常に大きいことがわかりますね。しかし、中には大きな傾きに慣れてしまって、気づかずに過ごしている人も多いといわれています。

自分で傾きを図る方法は、オートレザーという専門機器から、100円均一などでも手に入る簡易的なものまであります。中でも最も簡単な方法は、ビー玉を転がしてみることでしょう。
まっすぐな木片を用意し、5円玉を巻き付けた糸を巻いて壁に当て、吊るした5円玉と壁とが平行かどうかを確認する方法もあります。

中古住宅の購入される方や、今お住まいの家の傾きが気になる方は、セルフチェックからやってみてください。

◆床の傾きは予防できないの?対策法とは

現在は床の傾きは感じられないけど、日々できる対策はないの?と思う方も多いでしょう。

やはり大切なのは日々のメンテナンスです。半年に1回でも1年に1回でも、家の周りを測り確認にし、傾きがないか調べましょう。

劣化やシロアリの発生などによって梁や柱が脆くなり、床の傾きに繋がることもあります。まずは目で見て、カビや臭いがないか嗅いでみて、叩いて触れてみて変な音がしないか聞いてみて4つの感覚で状態を確認してみましょう。

こうしたメンテナンスによって、変化に気づくことができます。もし床が傾きかけていても早期発見・早期対応が可能になります。そうすると修繕にかかる費用も抑えられます。

戸建て住宅に住む人にとって、メンテナンスは重要です。家の傾きだけではなく、家全体の劣化や変化に早く気づけます。マンションで暮らす人の修繕積立金をイメージして、毎月1万円でも貯金しておけば、10年以上住んだ自宅のメンテナンス費用として、屋根や壁の修繕・洗浄、基礎部分の補強など建物の管理に充てることができますよ。こうした修繕を行うことで、その後の20年30年も住める家になっていきます。

床の傾きなど気づきにくい変化も、小さな違和感を見逃さずに、自身や家族が住む家を大切にし、資産価値を維持・向上させるためのメンテナンスも行うようにしましょう。

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◆床の傾きがある家は売却に不利になる?

ここでいう「床の傾きがある家」とは、上述した「6/1000以上の傾き」とします。

また、傾きが柱の場合と床の場合では異なり、床の場合は家全体の一部分には大体傾きが存在するからです。
ただし、柱の場合は影響が広範囲に渡ることが予想され、シロアリ被害などの可能性も出てくることから、告知はしておくべきでしょう。のちのトラブルの原因になりかねません。不動産会社にも相談してみるべきですが、ほとんどの場合、告知を勧められるでしょう。

というのも、2018年4月の法律改正により、中古住宅を仲介する場合には、不動産会社は媒介契約締結時に住宅診断について説明、推奨することになっているためです。
不動産売買の際のトラブルを避けるためにも、専門家に依頼したり、インスペクションを行うことがオススメとされています。
もちろん強制ではありませんが、人が気になる程度の床の傾きは告知しておいた方が無難でしょう。

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◆まとめ│床の傾きが気になり始めたら早期売却を

床の傾きは、家の不具合を表しています。シロアリ被害の恐れから、健康被害に至るまで、様々な要因になりかねます。

日々のメンテナンスから早期発見を目指しましょう。

また、床の傾きが気になり始めたらインスペクションをして調査をするなど、家の高値売却のために証明となる調査を行うなど、専門家に依頼をすることをオススメします。

もちろん、その場合の費用は自己負担になるので、売却を考えている方は早期売却が鍵ですよ。
不動産一括査定サイトで、資産価値を確認してみましょう。

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