これから不動産が売れない時代がくるのか?

これからは、不動産が売れない時代が来ると言われています。正確には、「今の価格のままだと売りにくい」という表現になります。その理由は「価格」と「人口」の2つの観点からいうことができるので、今回はその「理由」について詳しく解説します。

1.価格が天井である

まず、これから不動産が売れなくなる時代が来る1番目の理由は、「今不動産の価格が天井である可能性が高いから」です。価格が天井であるということは、「需要」がピークであることを表しています。つまり、今不動産の需要はピークであり、今後需要は落ちていく一方であると考えられます。

1-1現在の不動産価格

現在の不動産価格は、ここ20年程度過去に遡っても、最も高い金額で推移しています。これは、不動産経済研究所が出しているデータ※1と国土交通省が出しているデータ※2を見ると分かりやすいです。

たとえば、首都圏新築マンションの価格は平成8年には4,238万円でしたが、平成27年には5,518万円まで上がっています。4,238万円から5,518万円に上がっているということは、ここ20年で30%以上価格が上昇しているということです。

首都圏の新築マンションを例に出しましたが、首都圏ほどではないですが他の地方の価格も上昇しているのは事実です。

※1不動産経済研究所
※2国土交通省

1-2契約率が落ちている

先ほど、不動産価格が上昇しているということは需要が上がっていると言いました。不動産に限らず、モノの価格は需要と供給によって決まります。当然ながら、マンションを欲しいと思っている人が多ければマンション価格を上げても売ることができます。

しかし、今後はマンションを欲しいと思っている人は減少すると考えられます。

1-2-1契約率について

その理由として、「契約率」という数字の推移が下がっていることが挙げられます。契約率というのは、新しく新築マンションを分譲して、最初の月でどの程度売却できたのかを表す数字になっています。新築マンションを売却するときには、売り出し開始前から広告で集客します。

そして、ある程度見学者と検討者が集まってから、「○月○日より登録受付を開始します」という流れで売却します。仮に、希望者が多く、登録住戸が重なれば抽選になるというワケです。たとえば、総戸数100戸のマンションで初月に50戸のマンションを売り出したとします。

好調のマンションであれば、そのうちの9割程度(45戸)は売れます。この契約率の好不調の境目は「大体7割」といわれており7割を下回ると不調と判断されます。

1-2-2現在の契約率について

前項で紹介した不動産研究所と国土交通省が出しているデータを見れば分かりますが、2009年のリーマンショック直後以来、2016年にはじめて契約率7割を下回りました。つまり、現在不動産価格は高騰しているにも関わらず、需要が減少しているということです。

ただ、不動産価格をいきなり下げることはありません。なぜなら、不動産ディベロッパーは既に土地を取得しており、その土地の取得は「高騰しているマンション価格」を基準に、高めの価格で購入しているからです。

そのため、今後も消費者ニーズは高騰した不動産価格についていけずに、契約率はさらに下がる可能性があります。その点が、今後不動産が売れなくなる1番目の理由です。

2.人口の減少

今後不動産が売れなくなる2番目の理由は、人口の減少です。先ほどいったように、不動産をはじめ、モノの価格は需要と供給のバランスで決まります。その需要を如実に表している数字が「人口」になるのです。

2-1人口と需要について

需要とは、「不動産を欲しいと思う人の数」になります。不動産を欲しいと思う人が多いか少ないかは、「エリアの人気」や「景気」にもよりますが、マクロな視点でみると「人口」も大切な要素になります。当たり前の話ではありますが、住宅というのは人の数によって需要は大きく異なるからです。

また、住宅は高額なものなので、すぐに買い替えるようなものではありません。中には、ずっと賃貸暮らしで住宅を購入することがない人もいるくらいです。

「人口減少は需要がなくなる」という話は全ての商品に言えることですが、「買う必要がない」「買い替え頻度が少ない」という面で、「不動産の需要」と「人口」は密接につながっているということです。

2-2今後の人口について

「少子高齢化」といわれている現在ですが、少子高齢化の問題以外にも「人口減少」という問題があります。総務省統計局のデータ※2を見ると、2015年には1億2,000万人いた人口も、2050年には1億人を切るという推移です。

また、出生率も大きな改善が見られない中では、このデータは大きく外れることはないと考えられます。そうなると、単純に人口減少により住宅を必要としている人の絶対数が減ります。住宅を必要としている人の絶対数が減るということは需要減ということなので、不動産ニーズも減少します。

そのため、今後の人口という観点から考えても、これからは不動産が売れない時代が来ると考えられるのです。
※3総務省統計局

3.まとめ

このように、「価格が天井である」という観点と「今後の人口」という2つの観点から、今後の不動産は売れない時代が来ると考えられます。前者の「価格」は直近5~10年程度の話でありますが、後者の「人口」はもっと長いスパンでも話です。

いずれにしろ、短中期的にも長期的にも、不動産は売れにくい時代が来ると予想されています。

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